「就労移行支援って何?」
「利用すると一般就労できるの?」
「利用しても就職できない人もいるの?」
こんな疑問を抱えながら、就労移行支援を検討している、あるいは現在利用しているものの、就職への不安を感じている方もおられるかもしれません。
実際に、就労移行支援を活用してスムーズに一般企業へ就職する人がいる一方で、なかなか内定を得られない人もいます。その違いはどこにあるのか? 通所しているだけで就職できるのか? それとも、何か特別な努力が必要なのか?
今回の記事では、以下のことをご紹介します。
- 就労移行支援の基本知識
- 就労移行支援で就職出来る人と出来ない人の違い
- 就労移行支援を利用して就職出来る人の特長
- 就職しても長続きしない場合の理由
- 就職で失敗しない為の7つのポイント
結論として、自分に合う職場や企業と出会って一般就労するには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。
この記事を最後まで読むことで、就労移行支援を利用した就職に役立てて頂けると幸いです。
就労移行支援の基本知識


- 就労移行支援の利用条件
- 就労移行支援の利用料金
- 就労移行支援に向いている人・向いていない人
- 就労移行支援からの就職率



詳しく障害してくいよ。
就労移行支援の利用条件
就労移行支援とは、障害者総合支援法に定められた「障害福祉サービス」のひとつで、障害や難病をもった方が就労に向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職(復職)後も職場に定着できるようサポートを行います。
就労移行支援で受けることが出来る支援
- 働くための生活リズムを整える
- 職業スキルの習得
- 個別の就職支援
- 就職後の定着支援



職業スキルでは事業所によって特徴があって、ExcelやWord、プログラミング・WEBデザインなども学べる事業所もあるよね。



そうそう。
日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】はもちろん、WebデザインやITスキルが身に就く【atGPジョブトレIT・Web】、AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるから、施設見学したりしていろいろ知った上で選ぶといいね。
就労移行支援は、最大で2年間利用できることになっており、ある程度の時間をかけて内定の獲得を目指します。



就労移行支援を利用できるのは、以下に挙げる条件をすべて満たしている方だよ。
- 18歳以上65歳未満である
- 障害や難病の診断を受けている
- 就労意欲があり一般就労を目指す人
- 失業している



就労移行支援を利用するためには、市区町村から障害福祉サービス受給者証の交付を受ける必要があるよ。



そうだね。
就労移行支援事業所の利用については、障害福祉サービス受給者証の交付をうけていれば、障害者手帳を取得していなくても利用することができるよ。
上記の条件を満たしていれば、傷病手当や雇用保険を受給していても就労移行支援を利用できます。また、学生や休職中の方も場合によっては利用可能です。このように、例外的に対象となるケースもあるため、希望する事業所の対象者を確認する必要があります。
就労移行支援の利用中は賃金は発生しません。アルバイトなど働くことも原則禁止されています。そのため、生活費を賄う収入がない場合、就労移行支援の利用が難しいことがあります。
特に一人暮らしで自活している方や、世帯の生活費を稼いでいる方などにとっては、経済的な負担が大きくなる方もおられます。
こうした場合、各種制度を利用して生活費を補っていくことも出来ます。
- 失業保険(雇用保険): 仕事を失った際の保険給付で、条件を満たせば受給可能
- 傷病手当金:病気やケガで働けない場合に健康保険から支給される手当
- 生活保護:所得が少なく、生活に困窮している場合に自治体から支給されるサポート
- 障害年金:障害者としての認定を受け、必要条件を満たしている場合に支給



受給条件はそれぞれ異なるため、不明な点があるときは自治体窓口に相談してみてね。



私は、失業保険をもらって生活費にしながら、就労移行支援事業所に通所しているよ。
就労移行支援の利用料金
就労移行支援の利用料(費用)は、前年の世帯収入によって利用料が発生する場合があります。
世帯の収入状況 | 詳細 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
*ここでの「世帯収入」とは「本人と配偶者」の収入の合計となり、親の収入は換算されません。
参考:障害者の利用者負担



利用回数にかかわらず、負担上限月額以上の負担は発生しないよ。
利用料(費用)についてはお住まいの自治体が決めるため、上記はあくまでも目安となりますので、利用の際は、お住まいの自治体に問い合わせを行ってください。



私は通所前は一般就労をして収入がある程度あったので、就労移行支援事業所を利用した1年目は9,300円を毎月支払ったけど、2年目は前年が非課税世帯になっていたので0円になったよ。
就労移行支援に向いている人・向いていない人
就労移行支援の利用が向いている方は、以下のような希望や目的のある方です。
- 就職や転職をサポートしてほしい
- 障害があって就職活動が不安
- 少しずつ社会復帰を目指したい
- 何度も就活に失敗している
- 就職に必要なスキルを身につけたい
- 適職を見つけたい
就労移行支援では、職業スキルの訓練以外にも、自己管理やメンタルケア、対人スキルなどを身につけられるプログラムを組んでいる事業所が多くあります。
豊富な就業経験や高い技能があっても、自分の障害特性をよく知らなかったり、ストレスと上手に付き合えなかったりするなどして、仕事が長続きしない方は少なくありませんので、
一般的な就労支援ではカバーされていない職業生活の土台となる方法や考え方を学べることは就労移行支援事業所の魅力です。



ただし、社会人としてのマナーやコミュニケーションスキルの習得に関わるカリキュラムは事業所によって内容がや頻度が違うので、見学や相談をした際に確認してみてね。
また、
就労移行支援が向かない方の特徴として、以下が挙げられます。
- 就職を希望していない人
- 体調が安定していない人
- 利用中の生活費がない人
- 1ヶ月以内に就職を決めなければいけない人
- 求人紹介だけ受けたい人
就労移行支援は、「一般就労(企業や公的機関などと労働契約を結んで働くこと)を目指す方」が通所する場所になるので、そもそも企業への就職を希望していない人は対象外です。
職業スキルを身に着けたり、応募企業の選定や応募書類の作成・面接練習などの個別の就職支援を受け、障害の自己理解や希望する配慮事項などもまとめながら、自分に合う企業で働くことを目指していきますので、多くの方は1年前後から2年以内の期間をかけて就職を目指します。そのため、早々に就職を決めたい方には不向きです。
また、週5日などの通所をめざすことで働くための生活リズムを整えることから始めることは出来ますが、あまりにも体調が安定していないためにほとんど通所できない方は、先に通所できるまでの体調を整えることが必要です。



ちなみに、就労移行支援は障害者手帳がなくても受給者証の交付を受けていれば利用することができるので、障害者雇用枠以外の就職活動も支援してくれるよ。



障害者雇用枠への応募は、障害者手帳が必要だもんね。
就労移行支援からの就職率
就労移行支援は、「一般就労(企業や公的機関などと労働契約を結んで働くこと)を目指す方」が通所する場所であることをご紹介しましたので、その就職率をご紹介しておきます。



令和5年度の全国平均では、就労移行支援から一般就労への移行は58.8%で一番高くなっているよ。





障害者雇用で一般企業に就職するように、一般就労のための就職支援を受けたいのであれば、就労移行支援に通所することが1つのポイントなんだね。



そうだね。
就労移行支援事業所は、ハローワークや障害者職業センターなどと連携しながら障害者の就職も支援してくれるよ。
就労移行支援事業所はいろいろあるので、施設見学をしたり、カリキュラムや支援実績を確認して選ぶことが大切だよ。



私はローカルな事業所も含めて5つくらいの事業所を見学して今のところに決めたよ。
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就労移行支援で就職出来る人と出来ない人の違い


ここからは就労移行支援を利用して就職できる人と就職できない人の違いについて紹介して行きます。
- 自分自身の把握
- 周囲とのコミュニケーション
- 仕事のスキルと希望する待遇のマッチ
- 適切な就労移行支援の選択



詳しく紹介していくよ。
①自分自身の把握
- ①主体的に就職を目指し行動しているか
-
繰り返しになりますが、就労移行支援事業所は、一般就労を目指す場所ための支援機関です。本人が就職する意欲をもち行動することが出来ないと就職は難しいと言えます。
いくら就労移行支援で支援されても、本人が就職意欲がないと面接でも落とされてしまうしね。
- ②障害の自己理解を深め適切に対処できるか
-
特に障害者雇用枠で働くには、障害の自己理解を深め自分自身でもある程度の対処ができることや、希望する配慮を適切な範囲で企業に伝えることが求められます。
障害特性や程度は一人ひとり違う。
障害名を伝えたら、企業が全て配慮してくれるわけではないからね。 - ③通所実績が足りているか
-
体調が安定しないなどで就労移行支援事業所に通所が安定してできていない場合は、週5日などで一般就労することは難しいといえます。
就労移行支援事業所に通う段階で、休みや遅刻・早退が多い人は、就職のために通所を安定させることが目的となり、就職支援の段階に進むことができないため、なかなか就職できません。安定した通所ができない=安定して会社に出勤できない
ということだからね。
②周囲とのコミュニケーション
- ①人とコミュニケーションが出来るか
-
障害上、コミュニケーションが苦手な方もおられますが、働く上や周りの人とうまくやっていくための最低限のコミュニケーションは必要です。
- 返事やあいさつができない
- 必要な業務連絡ができない
- 休みや遅刻/早退の連絡ができない
- 感情をコントロールできない
などの状態がある場合は、障害の自己理解を深めたり就労移行支援でコミュニケーションを習得していかないと就職することは難しいです。
- ②自分の障害特性と配慮事項を伝えられるか
-
面接などの際には、障害者雇用では必ず障害特性と働く上での配慮事項の質問があります。
そのため、自分自身のことを仕事に関わる適切な範囲で説明することが必要となります。
自分に出来ることと出来ないことをしっかりと把握し、企業や周囲の人にどのような配慮を求めることが必要だからね。
私は、最初は仕事に適切な範囲で配慮を伝えることが難しかったので、就労移行支援の支援員さんに相談しながら障害上できないことなどをまとめていったよ。
いいね。
そうやって、就労移行支援事業所の支援員さんに相談したりして改善できれば就職の可能性は高まるよ。
ちなみに、この配慮の内容を自分でしっかりと把握していないと、もし就職することが出来ても、長期にわたり就労することが難しいといった問題にも繋がってしまいます。
③仕事のスキルと希望する待遇のマッチ
- ①就職に必要な職業スキルが身に就いているか
-
例えば、事務職に応募したい場合は応募条件に「Excel・Wordの基礎レベル」などの応募条件があることがありますので、応募までに応募条件を満たす必要があります。
通所しながらそういった職業スキルを補えていないと、応募することが難しいよね。
安定して就労移行支援事業所に通所ができていない段階だと、特に難しいよね。
- ②就職先に多くの条件や待遇を求めていないか
-
就職できない人は、「正社員じゃないと嫌だ」「月給20万円以上じゃないと嫌だ」など会社側に多くの待遇や条件を求めている場合があります。
就労移行支援事業所を利用して就職先を探す場合には障害者枠での雇用を目指すこともありますが、一般採用に比べて条件がよくないことも多いため、好待遇を求めすぎると応募したいと思う企業が見つからないといったことになってしまいます。
私もこれまでは一般雇用の正社員で働いてきたので、当たり前に障害者雇用での再就職でも希望していたよ。
でも、障害者雇用では始めから正社員で働ける求人はすごく少ないよね。そうだね。
もちろん生活のためもあるので慎重に判断していかないとだけど、障害者雇用枠求人の現状も理解しておかないと高望みしているようになってしまうこともあるよね。




④適切な就労移行支援の選択
就職できないのは自分の問題だけではなく、通っている就労移行支援事業所に問題がある可能性もあるからです。



就労支援実績の低い事業所を選択してしまったり、自分に合わない事業をを選択してしまうと、就職が難しくなるよね。
- ①支援体制や実績のある事業所を選択できているか
-
就労移行支援事業所は令和2年(2020年)10月時点では、3,301か所ありますが、その支援体制や実績は事業所ごとに差があります。
事業所を決める際に、施設見学や就相談だけでなく、その事業所の就職支援実績がどの程度があるかを確認して決めるのも大切だよ。
私はいくつかの事業所を見学して今の事業所に決めたよ。
就職支援実績は8割程度ある事業所だよ。就労移行支援事業所に通所したからといって全員が就職できるわけではありませんが、就職支援実績を公表していない・実績が低い事業所には支援体制などなんらかの問題がある可能性があるため注意が必要です。
あわせて読みたいこんな就労移行支援は【やめとけ】!その具体例と良い選び方を解説 「就労移行支援は利用しない方がいいの?」「利用に向いている人はどんな人?」「よい就労移行支援の選び方はある?」 そんな疑問を抱えていませんか? 就労移行支援は… - ②利用した就労移行支援事業所が自分に合っていない
-
就労移行支援事業所は全国にあり、方針やサービスの内容はそれぞれ異なります。
たまたま利用した事業所や支援員さんとの相性が悪く、就職に結びつかなかったというケースもあります。
就労移行支援事業所では、利用体験もできるよ。
通所を決断する前に事業所の雰囲気やカリキュラム内容を実際に知ることも大切だよ。私も数日の体験をさせてもらってから、合いそうだったので今の事業所に通所を決めたよ。
- ③支援の種類や内容が充実していない
-
事業所が提供している支援の種類や内容が充実しているかどうかも、就職の可否を左右する要因の1つです。
就労移行支援事業所では、職業スキルの習得や個別の就活支援で利用者の就労を支援していますが、併せて、困りごとの対処法やビジネススキルなどを習得できるカリキュラムを提供している事業所も多くあります。しかし、支援の種類や内容は事業所ごとに違うため、手厚いサポートが受けられない場合もあるかもしれません。
就労移行支援事業所を選ぶときは、職業訓練で用意されている職種の数や、扱っているプログラム・カリキュラムの質や量を比較検討してみよう。
事業所の見学にいくと、その月のカリキュラム内容の一覧表をもらえたりするから、どんなことを学べるかは確認できるよ。




障害者向け転職サイト・エージェント
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就労移行支援事業所
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- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
就労移行支援を利用して就職出来る人の特長


ここまで、就労移行支援事業所を利用して就職できる人と出来ない人について紹介してきましたが、
結論として、就労移行支援事業所を利用して就職出来る人の特長は以下の通りです。
- 自分に合う就労移行支援を選択出来ている
- 障害の自己理解を深め自己管理が出来る
- 就職意欲があり実現可能な目標を設定している
- 周囲とコミュニケーションが取れる
- 必要な職業スキルを習得出来ている
- 応募書類の完成と面接対策が出来ている



私は事業所選びはしっかりできたので、就労移行支援事業所に通所している期間を通して、それ以外のことを身に着けていっているよ。



そうだね。
一人で最初からできるといいう意味ではなく、就労移行支援事業所に通所することを通して身に着けることができれば、就職の可能性は高まるからね。


就職しても長続きしない場合の理由


ちなみに、就労移行支援を利用して就職しても長続きしない場合の理由として以下のようなものがあります 。
- 求められる業務レベルのミスマッチ
- 自分に合わない仕事を選択した
- 就職先の環境や雰囲気が合わない
- 働く待遇や条件に不満がある
- 通勤の負担が大きく困難である



こういった結果にならないために、就労移行支援事業所での支援を通して、障害の自己理解を深める・職業スキルを習得するのはもちろん、応募する企業の業務内容や職場のことをよく知って入社する、就職後は定着支援を受けることが大切だよ。



私は就労移行支援事業所の仲介もあってハローワーク求人の企業の職場見学や職場実習に参加して職場の雰囲気や業務内容を知る機会を得たこともあったよ。



そうそう。
そういうのが大事だよね。




就職で失敗しない為の7つのポイント


最後に、就労移行支援を利用して就職する場合に、失敗しないための7つのポイントをご紹介して行きます。
- 就職に繋がる就労移行支援事業所への通所
- 希望の待遇や条件を見直し自発的に動く
- 社会人マナーやコミュニケーション
- 必要な職業スキルの習得
- 応募書類の完成と面接練習の徹底
- 職場見学・実習・トライアル雇用の活用
- 障害者向け転職エージェントの活用



詳しく紹介していくよ。
①就職に繋がる就労移行支援事業所への通所



私は5つくらいの事業所を見学に行ったし、その中で気になった事業所はカリキュラムの体験をさせてもらったよ。
カリキュラムの体験をさせてもらった際は、通所者が定員の7~8割程度埋まっている就労移行支援事業所であるかも気にしてみましょう。そういった事業所は通所者の入れ替わりがあるため、安定した支援を提供している可能性が高くあります。
ちなみに
通所し始めて自分の病気や障害の症状が安定してきたにも関わらず、就職に結びつくような訓練や支援を行ってくれない就労移行支援事業所は要注意です。



通所開始の前に就職支援実績を確認しておけば、そんなこともないとは思うけれど、通所後も意識しておいてね。
また、通所を開始した際は
他の通所者の就職活動に向けた取り組みにも目を配ってみましょう。
数か月就労移行支援事業所に通所しても、同じ通所者の中に企業へ就労実習や体験就労に行ったり、就職が決まって対処する人がいない場合にも、その事業所は「就職させられない」就労移行支援事業所である可能性があります。
このような就労移行支援事業祖に通所していては、本人の病気や障害の症状が安定したとしても就職することは困難です。
就労移行支援事業所にはいろんな事業所があり、中には国からの助成金目当てに通所者を就職させない就労移行支援事業所もあるため、通所し出してから就労移行支援事業所の内情に違和感を感じたら、別の就労移行支援事業所に変更することも視野に入れましょう。



きちんと支援体制のある事業所に通所することが第一歩だよ。
②希望の待遇や条件を見直し自発的に動く
障害の自己理解を深め、自分が出来ることと出来ないことを理解しておかないと、希望する職種や企業を選択していくことはできないからです。



私は大人になって発達障害があるとわかったので、障害が原因で出来なかったことに気が付いていなかったけど、障害が分かってからは、障害が原因で出来ないことは職業として選ばない・配慮を受けることが必要だとわかったよ。



そうだね。
障害の自己理解をしたうえでの選択は大切だよね。



あと、「障害者雇用」という仕組みや現状を少し勉強したことで、最初から正社員で働くことが難しいことが多い現状なども知ったので、譲れなかった就職条件を少し緩めることもできるようになったよ。
障害に配慮ある環境での就職を希望するために障害者雇用枠での就職を選択する場合は、一般雇用よりも待遇が低い傾向がることに気が付きます。
特にこれまで一般雇用で働いた経験がある場合は、給料の低さや非正規雇用からの採用の多さに驚くかもしれませんが、自分が「障害者雇用で働くことを選択する理由」に立ち返ったり、障害者雇用の現状を知って、その中でのベストを選択する必要があります。
③社会人マナーやコミュニケーション



特にこの部分は、自分一人では習得が難しいし、他の就労支援機関でも支援はしていないので、就労移行支援事業所のカリキュラムを通して身に着けるのが望ましいよ。



そうだよね。
カリキュラムをきちんと組んでいる事業所では、会社でのコミュニケーションのポイントを抑えたり、社内で必要な社会人としてのマナーを教えてくれるよね。



そうだね。
就労移行支援事業所には、高校や大学を卒業して就労経験のないまま通所する方もいるので、こういった会社で必要なスキルがカリキュラムに組まれているよ。
社会経験がある方も、障害が原因である場合も含めコミュニケーション能力の低さや社会人としてのマナーが最低限身についていないために、周りとうまくいかなくなってしまっていることもあります。
そういった場合も、就労移行支援事業所のカリキュラムを通して、マナーやコミュニケーション能力を身に着けていきましょう。



私は社会経験があるけど、コミュニケーションは苦手だったので、就職後は社内でうまくやっていくためにも、今、就労移行支援で学び直しているよ。
④必要な職業スキルの習得



求人の応募条件を確認していこう。
事務職であれば「Excel・Wordの基礎レベル」など、応募に必要な条件が記載されているよ。



希望する職種で必要なスキルは違うので、早い段階で職種は絞っておけるといいね。



そうだね。
就労移行支援も大きくは身に着けられる職業スキルで運営が分かれているともいえるしね。
WebデザインやITスキルが身に就けたいなら【atGPジョブトレIT・Web】、AIやデータサイエンスが学びたいなら【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるからね。
⑤応募書類の完成と面接練習の徹底



障害者雇用の場合は、障害名や配慮事項を記載する専用の履歴書を使用して作成するよ。
職歴がある場合は、職務経歴書も作成していくからね。



誤字脱字がないかや、読み手に分かりやすく記載されているかが大切だよね。
書類選考が通過できた場合、面接は必ずあります。特に障害者雇用枠求人の場合は、履歴書に記載した障害名や配慮事項について詳しく質問を受けることになりますので、そういった面接のパターンを踏まえて、就労移行支援事業所の支援員さんに面接官役になってもらいながら何度も面接練習をしておきましょう。



私は、就職支援のタイミングに入ってからは、毎週のように面接練習をしてもらっていたので、面接官からの質問にも適確に回答できるようになってきたよ。



質問の意図に適確に答えることができないと、「コミュニケーションが難しい人」だと思われてしまうからね。



そうそう。
ハローワークなどでも面接練習をしてもらうことは出来るけれど、障害特性をより理解してもらっている就労移行支援で、応募書類の完成や面接練習ができるのはメリットだよね。
障害者雇用における書類選考通過のコツや面接対策については以下の記事で詳しく紹介していいますので、是非参考にしてください。






⑥職場見学・実習・トライアル雇用の活用
就職準備を進める中で、実際にハローワークで求人を検索した場合は、
以下のような制度を活用して、実際の職場の雰囲気や業務内容を知りながら就職活動をすることもできます。
- 職場見学
- 職場実習
- 障害者トライアル雇用制度



これらの制度は、基本的にはハローワークの求人に対して行われているよ。



私は、通所している就労移行支援事業所の仲介で、職場見学や3日間の職場実習も体験したよ。
こういった制度を利用して職場を知って就職すると、利用しない場合よりも離職率が低い傾向があるんだよね。
*ただし、全ての企業が対応しているわけではありませんので、詳しくはハローワークにご確認ください。
ハローワークの活用方法については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、是非参考にしてください。


⑦障害者向け転職エージェントの活用



ハローワークの求人は、中小企業の求人や非正規雇用での求人が多い傾向があるよ。
求人数は多いし、時短勤務かから始めたい人などにはいいかもしれないね。



一方で、
障害者雇用専門の転職サイトやエージェントは、大手企業の求人や正社員雇用(または途中から正社員切り替えあり)での採用の求人が多い傾向があるよね。



そうだね。
障害の種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートしている【dodaチャレンジ】や細やかな求人掲載が魅力のアットジーピー【atGP】からまずは登録して利用するといいよ。
この2つは全国の求人を扱っているからね。



私も利用しているよ。
首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】もあるよね。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。
就労移行支援事業所では、ハローワークと連携して求人の紹介をしてくれることはありますが、直接の求人をもっているわけではありません。
そのため、実際の求人検索の段階に入った際は、ハローワークはもちろん、【dodaチャレンジ】やアットジーピー【atGP】などの、障害者雇用専門の転職サイトやエージェントを利用して幅広い求人の中から自分に合う職種や企業と出会うようにしましょう。
ここまで就職のためのポイントをご紹介してきましたが、障害者雇用枠で働くことにおいては「狭き門」の一面もありますので、以下の記事も参考にしていただき、就職活動に役立ててください。




障害者向け転職サイト・エージェント
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 首都圏・関西地域中心なら【マイナビパートナーズ紹介】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
まとめ


今回の記事では、就労移行支援で【援就職出来る人と出来ない人】就職への7つのポイントと題して、以下の内容をご紹介しました。
- 就労移行支援の基本知識
- 就労移行支援で就職出来る人と出来ない人の違い
- 就労移行支援を利用して就職出来る人の特長
- 就職しても長続きしない場合の理由
- 就職で失敗しない為の7つのポイント
そして、就労移行支援を利用して就職する場合に、失敗しないための7つのポイントは、以下の通りです。
- 就職に繋がる就労移行支援事業所への通所
- 希望の待遇や条件を見直し自発的に動く
- 社会人マナーやコミュニケーション
- 必要な職業スキルの習得
- 応募書類の完成と面接練習の徹底
- 職場見学・実習・トライアル雇用の活用
- 障害者向け転職エージェントの活用
結論として、自分に合う職場や企業と出会って一般就労するには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。



就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラムや支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。
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*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事がよかったなと思っていただけたら、是非シェアをお願いいたします。