【2025年】障害者雇用は狭き門?突破するための道筋と秘訣まとめ

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「障害者雇用は狭き門…」
「障害者雇用でなかなか採用されない」
「障害者雇用で正社員の募集が少ない」
という悩みを抱えた方へ。

採用枠が狭い障害者雇用は、就職・転職活動に不安や葛藤を感じることがあるのではないでしょうか。

しかし、障害者雇用だからつかめるチャンスもあります。
そのチャンスをつかむためには、障害者雇用の基本を押さえ道筋を立てて就職活動をしていくことがポイントです


今回の記事では、以下のことをご紹介します。

  1. 障害者雇用の基本知識
  2. 障害者雇用が狭き門となる理由
  3. 障害者の正社員雇用の現状
  4. 障害者雇用が採用されやすい理由
  5. 障害者雇用のメリット・デメリット
  6. 障害者向け就労支援機関
  7. 採用されやすい人になるための秘訣
  8. 障害者雇用の応募までの流れや面接対策
  9. 長く働くためのヒント



結論として、障害者雇用の狭き門を突破しその後も安定して働くことを目指すには、以下の方法がが大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職サイト・エージェントからの求人応募

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。



ポイントを押さえて適切な準備と就活を進めていくことができれば、障害者雇用で採用される可能性が高まりますので、是非最後まで読んでみてください。

目次

障害者雇用の現状と基礎知識

障害者雇用の基礎知識



この章では、以下のことを紹介していきます。

  • 障害者雇用の条件と障害者の就職率
  • オープン就労とクローズ就労
  • 障害者の法定雇用率


障害者雇用の条件と障害者の就職率


基本的に、障害者手帳を取得していることが障害者雇用枠に応募する前提となります。

障害者手帳の種類は以下の3種類だよ。

身体障害者:「身体障害者手帳
知的障害者:「療育手帳
精神障害者:「精神障害者保健福祉手帳


医師から障害の診断を受けていても、障害者手帳を取得していなければ、正式に障害があると証明できるものがないので、「オープン就労」(障害を開示して働く)の障害者雇用枠に応募することは難しいよ。

障害者雇用に切り替えて働きたい方は、障害者手帳を取得してから転職活動をすることになるね。

精神障害者保険福祉手帳の取得までに初診から半年かかるので、私は就労移行支援事業所に通所を始めて職業スキルの習得をしながら就職準備を進めているよ。

それは、よい時間の使い方だね!


令和5年度のハローワークを通じた障害者の職業紹介による全体の就職率は 44.4%で、対前年度差 0.5 ポイント増加しています。

スクロールできます
障害者区分就職件数(件)対前年度差(比)就職率(%)就職率の対前年度差
(ポイント)
身体障害者22,912998 件増 (4.6%増)38.71.0 ポイント増
知的障害者22,2011,628 件増 (7.9%増)59.21.4 ポイント増
精神障害者60,5986,524 件増 (12.1%増)43.90.1 ポイント増
その他の障害者(※)5,045931 件減 (15.6%減)34.03.0 ポイント減
合計110,7568,219 件増 (8.0%増)44.40.5 ポイント増
※「その他の障害者」とは、身体障害者・知的障害者・精神障害者以外の障害者をいい、具体的には、障害者手帳を所持しない発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者など。
参考:令和5年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況

他の障害と比べて、精神障害者の就職件数が増えてるんだね。

そうだね。
近年では、障害者手帳は精神障害者保険福祉手帳の取得者が増えているし、平成30年(2018年)に精神障害者の雇用も義務化されているので、発達障害や精神障害の方の就職支援が増えているよね。


オープン就労とクローズ就労

障害のある方が働く場合、「オープン就労」か「クローズ就労」のどちらかを選ぶことができます。

オープン就労とは?

自身の障害を企業に開示して応募し就労すること。
「障害者雇用枠」での雇用と「一般雇用枠」での雇用の2種類がある。


障害者雇用求人での応募は、障害者手帳で障害を開示して障害者雇用枠での採用を目指すので、オープン就労になるね。

「障害者雇用枠」でオープン就労をするメリット・デメリットは下記の通りです。

メリット
  • 理解されやすい雇用形態:企業側から障害について理解を示されやすくなる。
  • 配慮が得られる:業務遂行に必要な配慮(合理的配慮)を求めることが出来る。
  • 支援機関のサポート:障害者向けの就労支援機関を利用し、就職前後の支援を受けることが出来る。
デメリット
  • 求人選択幅の狭さ:求人の選択幅が狭くなる可能性がある。
  • 障害の開示が必要:障害者手帳を取得して障害の開示が必要。また、職場での配慮を得るために障害の自己理解が大切。


クローズ就労とは?

自身の障害を企業に開示せずに就労すること。基本的には一般求人で応募して就労する。


メリット・デメリットは下記の通りです。

メリット
  • 求人数が多い:障害者求人に比べて、一般求人の方が求人数が多い。
  • 多様な業種・職種に応募可能:求人数が多いため、さまざまな業種や職種に応募が出来る。
  • 給与が高い傾向:個人のキャリアやスキル・業務内容にもよるが、給与が障害者雇用より高い傾向がある。
デメリット
  • 配慮が難しい:障害を非開示のため、就労上の障害への配慮を得ることは難しい。
  • 定期的な通院などの調整が難しい:障害を開示していない為、障害による定期的な通院や治療の調整が難しい。


障害者の法定雇用率

障害者の法定雇用率は、段階的に引き上げられています。

令和5年度令和6年4月令和8年7月
民間企業の法定雇用率2.3% 2.5% 2.7%
対象事業主の範囲43.5人以上40.0人以上37.5人以上
参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

2023年(令和5)は2.3%が2024(令和6)年4月からは2.5%になり、今後も引き上げが予定されているよ。

2024(令和6)年4月からは、従業員を40人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならないんだね。
事業主の方へ|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 


しかし、対象のすべての民間企業が法定雇用率を満たしているわけではなく、現状の民間企業における法定雇用率の達成割合は約半分となっています。

そうだったんだね…。


ちなみに、

2020年(令和2年)よりもにす認定制度が始まり、障害者雇用に関する優良な中小事業主が認定・公表されるようになり中小企業での障害者雇用の促進が期待されていますが、現状では障害者雇用を積極的に行っている企業の割合は大企業が高くなっています。


障害者雇用は狭き門?それはどうして?


障害者雇用が「狭き門」となる理由は、以下のようなものがあります。

  1. 障害者雇用の競争倍率
  2. 書類選考で不採用になる
  3. 障害者雇用求人の少なさ
  4. ブランク期間の長さ
  5. 障害名で不採用になる
  6. 年齢が上がることでの難しさ
  7. 空求人が存在する

一つひとつ紹介していくよ。


①障害者雇用の競争倍率

企業規模や求人職種、障害特性などによって大きく異なるため全体の競争倍率を出す事は難しいと思いますが、以下に挙げるような背景があり競争倍率の上昇傾向も考えられます。


一度の採用員人数が少ない障害者雇用枠では、企業によっては求人数に対して多くの応募者が集まり競争率が高いこともあります。

法定雇用率をみたそうと調整している企業は、欠員が出たときや従業員増加による障害者雇用の不足人数を満たすための求人が多いため、1名程度の募集がほとんど。

結果、「狭き門」に挑む状態になってしまいます。

ただし
令和6年度調査では、新規求職申込件数の対前年度比が6.9%増に対して、就職件数の対前年度比8.0%増。
就職率の対前年度比は0.5ポイント上昇しているよ。

求職者は増加しているけれど、就職できている人も増えているんだね。


②書類選考で不採用になる

例えば、大手企業の障害者求人は、正社員雇用・給料・福利厚生など条件がよいため、障害者雇用求人1名枠に対して多数の応募が集まるようなことが起こります。

そのような場合、大半の方は最初の書類選考で振るいにかかり不採用となります。

障害者雇用の合同企業説明会に参加したら、大手上場企業のブースは他の企業より多くの人が並び、応募していたよ。

競争率の高さを実感した場面だったな・・・。


③障害者雇用求人の少なさ

ハローワークの求人で検索し比較した場合、障害者雇用の求人件数は一般求人に比べて圧倒的に少ないことに気が付きます。

これは、法定雇用率の低さ・企業側の意識・障害者側の課題・マッチング不足・経済情勢などが影響していると考えられます。

法定雇用率を満たさなかった企業は、障害者雇用促進法に基づき、不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円の「障害者雇用納付金」を納付しなければなりませんが、民間企業での障害者雇用率の達成割合は全体の半分の企業という現実があります。

障害者雇用求人って、一般雇用求人に比べてかなり少ないよね…。


④ブランク期間の長さ

一概にブランク期間が長いからといって不採用になるわけではありません。

ただし、採用担当者はこれまでの経歴やブランク期間の理由や過ごし方を総合的に判断するため、「なぜブランクが空いたのか」を説明ができないと「働く意欲が低い」と受け取られ不採用になる可能性があります。

一般雇用でもブランクがあると転職などが不利になるかもしれないのは同じだね。

でも、その期間を就労移行支援事業所に通所して、障害の自己理解職業スキルの習得の期間にすることは、企業からマイナスには見られないみたいだよ。


⑤障害名で不採用になる

障害者雇用促進法では、障害を理由に差別することは禁止されています。

ただし、事業主の負担は考慮されています。

障害者雇用を行う事業主には、雇用する障害者に対して合理的配慮として必要な措置を講じる義務があるが、事業主にとって過重な負担を及ぼすことになる場合は除外される。


そのため、障害によっては、以下の場合は不採用になることがあります。

  • 業務遂行に支障をきたす可能性があると事業主が慎重に判断した場合

  • 事業主が障害者雇用の経験やノウハウ不足環境整備不足で、配慮が難しいと判断した障害

障害者雇用をしている企業だからといって、「全ての障害の種類や等級を受け入れています」という意味ではないよ。

ある大手企業の障害者求人の採用担当に話を伺うと「身体障害者の方しか採用実績がない」ことが分かった場合もあったよ。

どうして身体障害者の方だけなの?

現状ではその企業にとって合理的配慮措置を講じることが出来るのは身体障害の範囲ということなんだろうね。

アットジーピー【atGP】などの障害者雇用専門の転職サイトでは、各企業が採用してきた障害の種類を掲載していることが多いので、自分と同じ障害の種類の採用実績があるかを確認できます。


⑥年齢が上がることでの難しさ

障害者雇用に限らず、年齢制限の禁止が義務化されました。

雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。

引用:募集・採用における年齢制限禁止について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)


ただし採用においては、その求人で求めている業務スキルなどは重視されますし、即戦力を求めて若手人材から採用している企業もあります。

年齢に応じた職務経験が活かせなかったり、PCなどのスキルが不足している場合などは、採用が見送られる可能性があります。

ちなみに、以下のような年齢制限が出ている求人はあります。

  • 「65歳が定年」のために「年齢制限あり 64歳以下」
  • 「長期勤続によるキャリア形成を図る必要がある」ために「年齢制限あり 〇歳以下」



⑦空求人が存在する

ハローワークの求人では、「空求人」がある場合があると聞きます。

空求人とは、求人を出しているけれど、採用する可能性が低い求人のことを指します。

  • 無料の広告代わりにハローワークへ企業情報を掲載している
  • 現状は法定雇用率を満たしているが、欠員が出たときのために掲載している


ハローワークの障害者求人に応募する際は、相談窓口の方に採用実績を確認してみましょう。

ある大手企業の障害者求人、ハローワークの相談窓口で確認したら、全国エリアで求人掲載があり応募多数にも関わらず前年はどのエリアも採用0人だったよ。

空求人なのかな?

空求人の可能性もあるね。

ただし、

大手企業の障害者求人枠の正社員雇用などでは、ある程度の経験やスキルを重視して採用をとる場合もあります。お給料が高めなので人気ですが、高い採用基準を満たす必要がありハードルが高い傾向があります。

ですので、「沢山の人が応募しているけれど採用ゼロ」というだけで空求人と決めつけるのはよくないかもしれません。

企業がお金を出して登録する障害者雇用専門の転職エージェントに、空求人を出していると思っていた企業が登録していることもあります。

身体・精神・知的障害を幅広く扱う【dodaチャレンジ】詳細な求人情報が魅力のアットジーピー【atGP】に登録して利用してみよう。
この2つは全国の求人を扱っているので地方の方も利用できるよ。

気になる企業の求人は、エージェントの担当に相談していくのがいいね。

ちなみに、首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】があるよ。
マイナビパートナーズ自体が特例子会社で、障害者を雇用するノウハウがあるので、専任のカウンセラーに相談してみてね。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。


障害者の就職と定着をサポート

障害者向け転職サイト・エージェント

就労移行支援事業所


障害者の正社員雇用の現状


ここでは、以下のことを紹介していきます。

  • 障害者の正社員雇用はなぜ少ない?
  • 正社員雇用を目指すには?

一つひとつ紹介していくよ。


障害者の正社員雇用はなぜ少ない?

障害別の正社員雇用の割合は、以下のようになっています。

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査

障害によって、正社員雇用で働いている人の割合は違うんんだね。



例えば、ハローワークで障害者雇用の求人を検索すると、正社員よりも非正規(パート・アルバイト・契約社員・派遣社員等)の割合が高い事に気が付きます。


企業側は、長期間の勤務を前提としているため、短期離職の可能性が高い障害者の採用には慎重です。

  • 業務遂行能力への懸念・障害者雇用のノウハウ不足など「企業側の意識
  • 障害の種類や程度によって就労能力やキャリア形成が異なる「個人の障害の特性

を踏まえ、障害者が新しい環境になじめるか・業務が遂行できるかの様子をみるために、非正規から採用する企業が多くあります。

非正規としてしか雇用しない企業もあれば、まずは契約社員・嘱託社員で雇用して業務遂行を確認しながら、正社員への切り替えをしていく企業もあるよね。

ちなみに、

通院している医師からフルタイムで働く許可が出ない場合や本人が体調の理由などでフルタイムで働くことを望まない場合は、「障害者側に正社員で働かない理由がある」よ。


障害者雇用で「正社員」雇用率が低い理由には、企業側の考えだけでなく障害者側の現状も影響していることもあります。

正社員雇用を目指すには?

障害者雇用で正社員になるには、以下のような方法があります。

  1. 障害者向け転職サイト・エージェントに登録し、正社員求人に応募する

  2. ハローワークなどで障害者雇用の正社員求人を探し応募する

  3. 障害者雇用で割合の高い「非正規雇用」から働きはじめ、正社員登用を狙う
    (ただし、企業の採用情報で「1年後に正社員への雇用あり」など企業側の方針や実績確認が必要)


障害者向け転職サイトやエージェントは以下のような特徴があるよ。
福利厚生のよい企業で正社員を目指したい方は、登録して利用してみよう。

  • 大手企業の登録割合が高い
  • 正社員募集の割合が高い
  • 非正規雇用から正社員登用に切り替えを行う企業もある

私も、身体・精神・知的障害を幅広く扱う【dodaチャレンジ】詳細な求人情報が魅力のアットジーピー【atGP】にまずは登録して利用し始めたよ。
この2つは全国の求人を扱っているから首都圏以外の人も利用できるよ。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。

いいね。

「パートではなく正社員で働きたい」「ITの資格を活かして働きたい」など、自分が希望している仕事・雇用形態がある場合、サポートしてくれる場所で就職活動を行うことが近道になるね。

ちなみに、
職業スキルを身に着けたりしながら就職を目指した場合は、就労移行支援事業所に通所し個別の就職サポートも受けながら就活する方法もあるよ。


障害者の就職と定着をサポート

障害者向け転職サイト・エージェント

就労移行支援事業所


障害者雇用が受かりやすい理由3選

障害者雇用が受かりやすい理由



障害者雇用が狭き門であることを伝えしてきましたが、「障害者雇用は受かりやすい理由」もあります。

  1. 法廷雇用率の引き上げ
  2. 実はライバルが少ない
  3. キャリア形が求められない

一つひとつ紹介していくよ。


①法廷雇用率の引き上げ

先にご紹介したように、障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられています。

令和5年度令和6年4月令和8年7月
民間企業の法定雇用率2.3% 2.5% 2.7%
対象事業主の範囲43.5人以上40.0人以上37.5人以上
参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について



令和8年には2.7%になる予定。
障害者が雇用される枠が広がり、障害者雇用で働くチャンスが増えるといえます。

②実はライバルが少ない

障害者雇用の応募には1枠などの狭き門に多くの応募があることを知ると、「ライバルが多い」と認識してしまいます。


でも、実は本当のライバルは少ないかもしれません。


障害の種類によって差がありますが、障害者の1年後の職場定着率は低く、日本全体と比べて離職率が高い傾向が見られます。

引用:平成29年の厚生労働省職業安定局による「障害者雇用の現状等」

障害別 一年後の定着率

  • 身体障害者  60.8%
  • 知的障害者  68.0%
  • 精神障害者  49.3%
  • 発達障害者  71.5%

ただし、これは障害者雇用だけでなく一般雇用で働く障害者も合わせた結果となっているよ。

*身体障害者や精神障害者の定着率が低さには理由があり、知的障害者と発達障害者の約8割が障害者求人で採用されているのに対して、身体障害者は障害開示での一般求人採用が36.5%と割合が多く、精神障害者は障害非開示での一般求人採用が32.6%と割合が多くなっている。



ということは、障害者雇用で転職を繰り替えす方もおられます。

転職回数が多い方や、転職期間のブランクがある方などは、「安定して長期間の勤務」を望む企業としては採用になりにくい傾向があるため、「ライバルにはなりにくい」可能性があります。

また、

大手企業などに中途応募する場合は、一般雇用ではかなりのキャリアやスキルがないと中途で採用されるのは難しいもの。

しかし、「障害者雇用」という枠で応募することで、一般雇用の中途採用よりもハードルを下げて応募や採用のチャンスをつかめる場合があります。


③キャリア形成が求められない

下記に挙げるような理由で、障害者雇用では一般雇用に比べてキャリア形成が求められない職場もあります。

低い期待値:基本の業務遂行ができる・体調が安定しているなど、短期離職の可能性が低い障害者の採用を優先し、長期的なキャリア形成に重点が置かれていない場合がある。

人材育成の不備:障害に合わせた適切な教育プログラムが整っていない企業では、キャリアアップの機会が限られている事がある。

一般雇用では、取得してきたスキルやこれまでのキャリアを重視される傾向があるけれど、障害者雇用では第一条件に「安定した勤怠で日々の業務を行い短期離職の可能性が低い人材」を企業は望んでいることも知っておこう。

*ただし、企業や仕事によって障害者雇用で求めるスキルや業務、求める人材像は違います。



障害者雇用のメリットとデメリット


障害者雇用のデメリットとメリットは以下のようなものがあります。

デメリット

  • 仕事の幅が狭い
  • 経済的な不安定さ

メリット

  • 就職がしやすくなる
  • 障害に配慮した職場環境


まずは、デメリットを2点伝えるよ。

デメリット①:仕事の幅が狭い

以下の3つのような理由で、仕事の幅が狭まることがあるよ。



企業の認識不足

障害者に対して簡単な業務や補助的な役割を任せる仕事が中心になり、結果として単純な作業に限られることがある。

職場環境の整備不足

バリアフリー環境の不備で障害者が働ける業務が限定されることがある。身体障害に限らず、障害者一人ひとりに合わせた配慮が難しいため、任せる業務が限られてしまう。

能力評価と活用の仕組みの欠如

障害者一人ひとりのスキルや能力を正確に評価し、適切な仕事を割り当てることは難しい。また、障害者の職業訓練やキャリア開発の機会も限られており、キャリアの幅を広げる機会が少ない。

雇用する側が障害者を「雇用するに当たっての課題」についての回答は、
「障害者を雇用するイメージやノウハウがない」
「会社内に適当な仕事があるか」となっていているよ。

雇用する側が、社内で障害者に適した業務を見つけることは大変なんだね。



デメリット②経済的な不安定さ

障害者の週所定労働時間別平均賃金(決まって支給する給与)の月額は、以下の通りだよ。

スクロールできます
身体障害者知的障害者精神障害者発達障害者
平均賃金
(超過勤務手当を除く所定内給与額)
23万5千円
(22万3千円)
13万7千円
(13万3千円)
14万9千円
(14万6千円)
13万円
(12万8千円)
通常(30時間以上) 26万8千円15万7千円 19万3千円15万5千円
20時間以上30時間未満16万2千円11万1千円 12万1千円10万7千円
10時間以上20時間未満10万7千円7万9千円7万1千円6万6千円
10時間未満6万7千円4万3千円1万6千円2万1千円
参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

障害種別によって平均賃金も差があるんだね。


障害者雇用では、以下の3つのような理由で経済的な不安定さが生じることがあります。

非正規雇用の多さ

障害者雇用求人は非正規雇求人の割合が高いため、経済的な不安定さに繋がりやすい。

低賃金

障害別に差はあるが、雇用形態や働くことができる労働時間に差もあるため、障害者の賃金は健常者に比べて低い傾向にある。

非正規雇用の場合、正社員と比べて福利厚生も充実しにくい。

キャリア形成の機会の欠如

職種や企業によってはキャリアアップの機会が少なく、昇進し収入アップを目指すことが難しい。



次はメリットを2点伝えるよ。

メリット①:就職がしやすくなる

先にご紹介してように、以下の3つの理由で、障害者雇用では就職がしやすくなる面もあります。

  • 法定雇用率の引き上げ
  • 実はライバルが少ない
  • キャリア形成が求められない職場もある


メリット②:障害に配慮した職場環境

障害者雇用枠で採用になった場合は、就労にあたって提示した配慮事項を企業側がある程度受け入れ可能と判断されたことになります。

障害への配慮がある環境で働けることは、障害者雇用の最大のメリットです。


障害者雇用で働くメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので是非ご一読ください。



障害者雇用で働くための支援機関


障害者の就職を支援してくれる機関には、それぞれの役割があり、以下のようなものがあります。

  • 就労移行支援事業所
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • ハローワークの専門部署
  • 障害者向け転職サイト・エージェント

一つひとつ紹介していくよ。


就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつ。

障害者の方など就労に困難を抱える方の就職と、就職後の安定した雇用をサポートする通所型の福祉施設で全国に3,000個所以上あります。

障害者手帳を取得していなくても利用は可能です。利用する際には地域の福祉センターに申請し「障害福祉サービス受給者証」の発行を受けて利用します。

就労移行支援事業所の主なサポートは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 就職に向けた訓練
  2. 就職活動の支援
  3. 就職後の定着支援

精神障害の場合、障害者手帳の申請・取得までには時間がかかるので、私は障害者手帳の申請と平行して就労移行支援事業所に通所して就職活準備を始めたよ。

就労移行支援事業所では、平日の朝10時~15時までの週20時間の通所するなどで、障害者雇用のカウントや「一般企業への就職を目指す」ことを意識して就活することが出来るからね。



利用する際の注意点としては、以下のようなことがあります。

  • 在職中には利用できない

  • 前年の世帯収入によって、費用がかかる場合がある

  • 就職までに平均で半年から1年程度の時間をかける(*個人差あり)

  • 個人個人の現状もあるため、必ず就職できるとは限らない。

通所中は無職の状態なので

就職するまでの期間は、貯金で賄う・実家で生活を見てもらう、生活保護を受けるなど、通所期間の生活を考える必要があるよ。

障害者の就職と定着をサポート

就労移行支援事業所

事業所の雰囲気や力を入れているカリキュラム、就職や定着支援の実績があるかどうかも運営する企業や事業所によって違うよ。

気になる事業所は相談や施設見学をして、自分に合う就労移行支援事業所を見つけることが大切だね。

私は、いくつかの就労移行支援事業所の施設見学をしてから、今の事業所を決めたよ。

日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】はもちろん、WebデザインやITスキルが身に就く【atGPジョブトレIT・Web】、AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるから、施設見学したりしていろいろ知った上で選ぶといいね。



ちなみに、

就労移行支援事業所には、障害者雇用を行う企業側から採用説明会の声がかかることがあり、そこに参加することで応募のチャンスが生まれることもあります。

企業によっては、就労移行支援事業所に通所していることが求人応募の前提になっている場合もあるよ。

株式会社asokkaさんを通したテレワーク求人のような例だね。

障害者の就職前の状況を知ってサポートし就職後の定着支援も行う就労移行支援事業所と採用企業側に繋がりがもてると、採用する企業側としても安心ということなんだよね。


障害者就業・生活支援センター

障害のある人が仕事に関することと生活に関することの両方を相談できる施設です。

令和6年(2024年)度では、全国に337センターあります。
参考:令和6年度障害者就業・生活支援センター 一覧

名称の就業と生活の間に「・」があることから省略して「なかぽつ」と呼ばれているんだよね。

障害者の職業生活の自立を目的として、雇用や保健、福祉、教育などの地域のさまざまな関係機関と連携して、障害者の住む地域で就業面と生活面の両方における一体的な支援を行っており、就職後の定着支援も受けることができます。

就職後に職場の悩みや困り事が起きたときは相談したりして、ここでも定着支援を受けることが出来るよ。


地域障害者職業センター

ハローワークなどと連携して、就職に必要な様々な支援を行う場所です。

北海道から沖縄まで全国にあり、障害者手帳の有無を問わず利用できます。

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病等により、就職、職場適応、復職等に支援を必要とされる方が対象です。利用するにあたっての費用はかかりません。

私は、発達障害なんだけど、「一般職業適性検査」をここでを受けたよ。

どんな業務が苦手でどんな業務が得意かなどがわかったのでよかった!

発達障害の診断のために専門の医療機関で受けるWAISなどのテストとは違い、「働く」ための適正検査を受けて自分の現状を知っておくと、その後の職業選択に役立つよね。


ハローワークの専門部署

ハローワークの求人には一般求人だけでなく、障害者雇用枠の求人もあります。

また、障害者の方には就職・相談の部署が専門に設置されており、相談しながら就職活動を行うことが出来ます。

もし、クローズ就労(障害を開示せず働く)を希望する場合でも、障害者の方はトータルサポーターに相談しながら進めていくことをおすすめします。

ちなみに、年に1度など、管轄のハローワーク主催で合同企業面接会が行われることもあるよ。

私も先日参加したよ!
他の就職活動中の障害者の方の様子もわかったり、企業と直接会って話ができたりする重な機会だよね。

障害者向け転職サイト・エージェント

在職中に障害者雇用での転職を考えているときはもちろん、一度離職した際は就労移行支援事業所に通所しながら登録して利用するのもおすすめです。

利用するメリットは以下の通りです。

専門的なサポート
  • 企業の求人詳細を知っているのが魅力。障害者の特性やニーズを理解し個別のサポートを提供。
    エージェントの場合は、履歴書の書き方や面接対策など、就職活動の全過程をサポート。
障害者に特化した求人情報
  • 企業の採用実績のある障害種別もわかるサイトもある。
  • エージェントに費用を払って障害者雇用を行う企業が登録している。
  • 空求人と出会うことがない。

健常者でも自分に合う転職エージェントを利用することが増えているように、障害者の就職を専門にサポートしてくれるエージェントを利用することが、適職で就職する近道になるよ。

私は、身体・精神・知的障害を幅広く扱う【dodaチャレンジ】詳細な求人情報が魅力のアットジーピー【atGP】から登録して障害者雇用求人の情報を得ることを始めたよ。

ちなみに、首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】があるよ。
マイナビパートナーズ自体が特例子会社で、障害者を雇用するノウハウがあるので、専任のカウンセラーに相談してみてね。
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採用されやすい人になる秘訣

採用されやすい人になる秘訣



採用されやすい人になる秘訣は、以下の9つがあります。

  1. 心身が安定した状態での仕事探し
  2. 医師の労働時間の許可を明確に
  3. 障害の自己理解が出来ている
  4. 協調性を大切にし職場環境に馴染める
  5. ブランクの少なさと長く働いた経験
  6. 障害者向け就労支援機関の利用
  7. 資格取得など努力の跡がある
  8. 自己PRや志望動機が明確
  9. 採用窓口と会える場所での応募

上記の秘訣を具体的に紹介していくよ。

①心身が安定した状態での仕事探し

就職活動はストレスがかかりやすいため、自分の心身が安定していることは大切です。
企業側としても、心身の状態が安定している人のほうが継続して働けるケースが多いため、障害の自己理解をして自己対処できるかを面接などで見ています。

心身が安定した状態で就職活動ができると以下のようなメリットがあります。

  • 自分に合った仕事を見つけやすくなる
  • 面接で良い印象を与えられる
  • 入社後の業務にも適応しやすい
  • 長く働き続ける可能性が上がる


②医師の労働時間の許可を明確に

障害がある方は、主治医に働くことが可能な労働時間を判断してもらい、その時間内での就労を目指すことがあります。

フルタイムで働く・正社員を目指すなどの場合、「主治医がその労働時間を許可している」ことは、採用する企業側にも一つの安心になります。

履歴書などにあえて記載したり、医師からの書類を出すことはないと思いますが、労働可能時間をきちんと医師に確認しておくことは大切だよ。


③障害の自己理解が出来ている

障害者雇用を積極的に行ってきている企業であっても、全ての障害を理解しているわけではありません。

また、障害種類や等級・個人差もあるため障害者一人ひとりを他者が理解することは大変なことです。
「○○障害と伝えたから、企業は理解し配慮してくださるだろう」と企業まかせにすることは要注意です。

自分の障害に合う仕事・職場に出会い安定して働くことを目指すのであれば、障害の自己理解を深め、配慮事項を履歴書に記載したり面接でまずは説明できることが大切です。

そして、企業側に求めるだけではなく、以下のように自分で出来る対処法も伝えましょう。

「○○が許可していただければ、自分で△△できます」



障害の自己理解が出来ている・自己対処できると以下のようなメリットがあります。

  • 企業が求める人物像に合致しやすくなる
  • 面接で良い印象を与えられる
  • 就職後、企業に適切なサポートを依頼できる
  • 就職後、仕事上の困難に対する相談ができる

私は、一般雇用から初めて障害者雇用に切り替えて就活するとき、企業に障害名を伝えたら何でも理解してもらえるのかと思ってたよ。

障害者雇用の実績がある企業でも、全ての障害の雇用実績があるわけではないからね。

障害の自己理解を深め企業に配慮を依頼する
自分でも対処できることはする
ことが仕事では求められるよ。


④協調性を大切にし職場環境に馴染める

企業に雇用されて職場で働くためには、障害者雇用に限らず
「周りの人とうまくやっていく」
「職場環境に馴染み適応していく」 ことが求められます。

職場の一員としてチームワークを発揮し、円滑なコミュニケーションを保つことで、業務効率が向上し、職場全体の生産性が高まるからです。

発達障害など障害特性によっては、コミュニケーションが苦手などの方もおられます。
そういった場合は、障害特性は配慮事項で伝えたうえで企業側の理解を得ながらも、業務を円滑に進める・遂行していくためには自分でも職場に馴染む・周りの人とうまくやっていこうとする姿勢を大切にし、面接などでアピールしましょう。

周りの環境・人に馴染んで働ける協調性」は、障害者雇用であっても必要なんだね。



⑤ブランクの少なさと長く働いた経験

障害者求人応募においても、職歴のブランクが少なく、長く働いた実績があることは、企業にとっても離職リスクの少ない人材として評価されやすくなります。

履歴書でこの部分は提示できますので、「職歴のブランクが少ない、長く働いた実績がある」方は、自己管理をしながら働くことや基本的な業務遂行のスキルがあることをアピールしましょう。

また、ブランク期間がある方は、

  • 就労移行支援事業所に通所しながら障害理解を深めながら就職準備をしていた
  • ブランク期間中に資格を取得した
  • 病気療養をしていた

など、説明が出来るようにしておきましょう。


⑥障害者向け就労支援機関の利用

一人で就職活動はせず、障害者向け就労支援機関を利用しサポートを受けましょう。

特に、就労移行支援を行う事業所に通所し就職支援を受けることは、障害者雇用で採用される可能性を高めてくれます。

就労移行支援事業所にきちんと通所できているかどうか、そこでの様子、習得したスキルなどを第三者の目として事業所スタッフが評価してくれたり、必要に応じて企業に証明してくれることもあるからです。

私も就労移行支援事業所に通所して就職支援を受けているよ。



⑦資格取得など努力の跡がある

障害者雇用ではキャリア志向でない企業・業務もありますが、働く以上、その企業が任せる業務を遂行することは求められます。

例えば、事務職を目指す場合、Microsoft office(Excel・Word・PowerPointなど)の基礎や応用まで学びなおしておくと即戦力になる印象が伝わります。

目指す業界や職種に応じて必要なスキルや資格がある場合は身に着けておくとで、企業に「業務遂行のスキルがある」応募者であることをアピールするとができます。

私も就労移行支援事業所に通所して、職業スキルも身に着けてるよ。


⑧自己PRや志望動機が明確

障害者雇用においても、自己PRや志望動機は大切です。

「障害者雇用で求人が出ているからとりあえず応募した」という印象をもたれてしまうととても損です。

応募しようと決めた企業に対しては、履歴書や職務経歴書をその企業用の志望動機に書き換え、自己PRも添えます。

企業理解を深めるために、企業のホームページで事業内容を確認したり、障害者雇用の採用ページがあれば雇用の現状も確認しましょう。


⑨採用窓口と会える場所での応募

ちょっと番外編ですが、「実際に採用窓口と会える場所で応募する」ことも、障害者雇用ではより意識してみてください。

例えば、障害者求人に応募する場合、多くの方は最初の書類選考で不採用になります。

採用の可能性を高めるためには、書類と同時に採用担当と直接話ができる場に行き、企業理解を深めたり自分をアピールする場も活用しましょう。

実際に採用窓口と会える場所で求人応募する具体的な方法には以下のようなものがあります。

  • 障害者向け合同企業説明会・面接会に参加する
  • 各企業が定期的に開催している説明会に参加する

例えば、クローバー就職ナビさんでは、主要都市などで就職フォーラムを定期的に開催されているよ。

登録企業には大手企業が多いのも特徴。お住まいの地域の近くで開催があれば参加してみるのもおすすめだよ。

私は今度、ハローワーク主催の合同企業面接会に参加するよ。
その場で最初の面接が行われるようなタイプもあるんだね。

就労移行支援に通所していたら、地域の合同企業面接会などはお知らせしてくれるし、当日も同行してくれるのが心強いよね!


障害者の就職と定着をサポート

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就労移行支援事業所


障害者雇用 応募の流れ


ここでは、以下のことをご紹介していきます。

  1. 障害者雇用の応募の流れ
  2. 障害者雇用で必要な応募書類
  3. 履歴書は障害者雇用専用タイプで
  4. 支援機関に確認・修正を依頼

詳しく紹介していくよ。


①障害者雇用の応募の流れ


障害者雇用で応募するための流れは以下のようになります。

STEP
診断と障害者手帳の取得

障害を開示してオープン就労で働く場合は、障害者手帳が必要

STEP
支援機関の登録

就労移行支援事業所への通所開始・ハローワークや転職エージェントへの登録など

STEP
障害の自己理解を深める

自分に適した仕事に出会うため・応募書類や面接で企業に配慮事項を伝えるために必要

STEP
履歴書・職務経歴書を完成させる

障害者雇用専用の履歴書を使い作成

STEP
面接対策を行う

就労移行支援事業所のスタッフや転職エージェントなどに面接対策と練習を依頼

STEP
応募と次面接の準備

実際に応募。書類が通ればすぐ面接になるので、面接練習を続ける



障害者手帳が手元にあってやっと障害者求人に応募できる。

障害者手帳がすでにあるのか、これから取得するのかによって、就職活動のスタート地点がちがってくるよ。

例えば、大人になってから発達障害がわかり、一般就労から障害者雇用(オープン就労)に切り替える場合は、障害者手帳の取得ができないと障害者雇用に応募ができないので要注意です。

医療機関で発達障害の診断を受けてからに6ヶ月後にやっと障害者手帳の申請が可能になり、障害者手帳の交付までには2-3ヶ月程度かかります。



ちなみに、

求人の応募前に是非知っておきたいのは、障害者雇用で働くための合理的配慮は、応募の段階でも求めることができることです。

応募・採用段階で求められる合理的配慮もあることを知り、応募のチャンスも広げましょう。

応募・採用段階で求められるもの
障害者と障害のない人との均等な機会を確保するための措置を求めること。

  • 視覚障害者に対して展示や音声ソフト等を活用した採用試験
  • 聴覚障害者に対して筆談等を交えた採用面接
  • 採用試験会場への移動が難しい障害者に最寄り駅までの迎え
    など

知らなかった!


②必要な応募書類

障害者雇用の応募には以下の3点が必要です。

履歴書 (障害者雇用専用タイプ)
職務経歴書(職歴がある場合)
障害者手帳の写し(カラー印刷・他書類と同じサイズになるようにA4縦の上部に印刷がよい) 

一般雇用とは違い、障害者雇用で応募する場合は、障害を記載する欄がある専用の履歴書、障害者手帳の写しが必要になるよ。


③履歴書は障害者雇用専用タイプで

障害者雇用タイプの履歴書は、一般的な履歴書に障害・現状・配慮事項の欄が追加された様式になっていますので、障害者雇用タイプの履歴書を使用して作成します。


ネットで検索すれば障害者雇用用の履歴書をダウンロードできます。

私は、通所している就労移行支援事業所の専用履歴書を使用して作成したよ。

それはすごく助かるね!


④支援機関に確認・修正を依頼

応募書類は企業に自分を伝えるとても大切な書類。自分で作成した後は、必ずキャリアコンサルタントなど専門の方にチェックしてもらいます。

履歴書と職務経歴書で和暦と西暦が混在していないかや誤字脱字の確認をもちろん、障害者雇用であれば障害の現状や配慮事項の書き方の確認は大切です。

自己流で配慮事項などを書いてしまうのはとても危険です。

書類のチェックは、就労移行支援事業所に通所していればスタッフにもお願いできますし、ハローワークや転職エージェントなど就労サポートを行っている機関に依頼することもできます。

チェックと修正を受けたら、修正して完成した書類も再度チェックしてもらい完成とします。

障害者雇用の狭き書類審査を通過しやすくするために、必ず、障害者雇用の履歴書や職務経歴書がチェックできる方にお願いしましょう。

私は通所している就労移行支援事業所の職員さんに応募書類もチエックしてもらってるよ!


障害者雇用の面接対策


一般的な応募方法としては、応募書類を提出して選考が通れば次に面接に進んでいきます。

応募書類が通って慌てて面接対策をしないで済むように、応募書類を完成するとともに面接対策も行っておきましょう。

  1. 面接での的確な回答の重要性
  2. 配慮事項の正しい伝え方
  3. 採用するメリットのアピール
  4. 障害者雇用の面接質問と回答

具体席に紹介していくよ。


①面接での的確な回答の重要性

障害者雇用において、面接で質問に対して的確な回答が出来ることはとても大切です。

企業側のニーズ把握:面接は、企業側が求める人材像と、応募者の能力や意欲を照らし合わせる場

自己PRの機会:自分の強みや経験をアピールする絶好の機会

ミスマッチ防止:面接で誤解が生じると入社後にミスマッチが起こる可能性がある


障害者雇用には必ず質問される質問もありますし、面接の練習はしておかないと、質問に的確に回答することができません。

どんな質問でも、企業側は仕事に結びつけて質問しています。

仕事」に結びつくような回答にする
結論から先に述べる」ことで伝わりやすくする
ことを意識しましょう。

的確に質問に回答できるようにしておかないと、配慮事項について質問されたのに、自分の障害特性について一生懸命説明してしまうなんてことも起こるよ。


質問の意図に合った回答ができないと、「コミュニケーションをとるのが難しい」という判断をされてしまいます。


②配慮事項の正しい伝え方

「障害者雇用」という選択肢を選んで就職活動をする一番の目的は、職場で適切なサポートを受けて安定して働き続けることを目指すためですよね。

そのため、配慮事項を正しく・適切に伝えることはとても大切です。

相互理解の促進
円滑な職場環境の構築
ミスマッチ防止

細かいことまで伝えすぎると「うちの会社で働くのは難しい」と感じさせてしまうよ。
また、「配慮事項はありません」と伝えてしまえば、「じゃあなぜ障害者雇用で働くの?」「障害の自己理解ができてないのかな」と疑問を抱かせるので要注意だよ。

個人的には、障害について企業に理解してほしいことが沢山ある気持ちが先行するから、ついつい伝えすぎちゃったことがあるな。


履歴書や面接で伝える配慮事項の範囲や内容は、障害者雇用を理解している転職エージェントや就労移行支援事業所スタッフなどサポートしてくれる人の意見も聞きながら相談して決めることが大切です。

その際には、

就労パスポート」を活用して、働く上での自分の特徴やアピールポイント・希望する配慮などを伝えていくこともお勧めです。


③採用するメリットのアピール

面接で、「あなたを採用するメリット」を効果的にアピールしましょう。

障害者雇用を行っている企業側の考えや業務内容にもよりますが、企業は、自社の課題を解決し、業績を向上できる人材を求めています。

採用担当者の視点: 多くの応募者の中から採用担当者の目に留まりやすく、評価されやすくする。

差別化戦略: 多くの応募者がいる中で自分を差別化し、採用担当者に印象づける。

企業とのミスマッチ防止: 面接で自社のニーズに合致する人材であることをアピールし、入社後のミスマッチを防ぐ。

モチベーションの高さ: 仕事に熱意を持って仕事に取り組む姿勢を伝える。

自身の強みや経験を企業のニーズに結びつけ、具体的に貢献出来ることをアピールできれば、採用担当者にあなたの価値を認識してもらうことができます。

例えキャリア重視の障害者求人ではなくても、企業に雇用してもらうために応募するのだから、応募企業のニーズを理解して接点を見つけ、自分をしっかりアピールしよう!


④障害者雇用の面接質問と回答

面接の基本質問は下記の4つです。
   

自己紹介
志望理由
自己アピール(自分の長所や短所・得意な事)
障害名と障害特性・必要な配慮事項



上記はよく聞かれる質問なので適切に回答できるようにしておきましょう。

基本の面接質問内容は、就労移行支援事業所や転職エージェントなどで教えてもらえたり、Excelなどの面接質問フォーマットをもらえることがあります。

面接質問フォーマットの各質問に、自分の回答も入力し、その解答で問題ないかを就労移行支援事業所や転職エージェントに確認しましょう。


面接質問と正しい回答が記載された「自分の面接質問回答集」を完成させてから、それをもとに面接練習をしよう。

障害者雇用の場合、個人の障害についての話をする場面がでてきるので、一般雇用であるような集団面接が行われることはほとんどありません。

「面接官1人または複数人と障害者本人」の面接場面が一般的です。
*就労移行支援事業所に通所している場合は、就労移行支援事業所の職員の同席を企業に希望できる場合もあります。

私は今度の面接では、就労移行支援事業所の職員の同席をお願いしたよ。

そういった細かい個別支援対応を受けることが出来るのが、就労移行支援事業所を利用するメリットだね!

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障害者雇用で長く働くために

障害者雇用で長く働く


障害者雇用で働く目的は、ただ入社することではなく、安定して長く働くことだと思いますので、そのポイントも最後にお伝えしていきます。

  • 職種選びは慎重に
  • 職場環境を事前に確認
  • 障害者トライアル雇用制度の活用

詳しく紹介していくよ。

職種選びは慎重に

障害者雇用において、職種選びはとても大切です。

自身の障害特性や能力を知り、希望を踏まえて職種を選択していくことで、長く活躍できる仕事を見つけることが出来るからです。

  • 障害特性との適合性: 障害特性によっては、適職と不適職が存在する。自身の障害特性を理解し、無理のない範囲で働ける職種を選ぶ。

  • 能力・経験の活かし方: 経験やスキルを活かせる職種を選ぶことで、業務に早い段階で慣れる・戦力として活躍する。

  • キャリアプラン: 将来のキャリアプランに合った職種を選ぶことで、長期的な視点で就職活動を進める。

  • 企業の障害理解: 企業や職種によって提供される配慮の質や範囲が異なることがある。自身と同じ障害の採用歴がある企業を選ぶことで、必要なサポートを受ける、働きやすい環境で働ける可能性がある。

最初は焦らず時間をかけて情報収集を行い、自分に合った職種を選択することが、後悔のない就職活動につながるよ。


職場環境を事前に確認

職場見学職場実習受け入れのある企業の機会を活用し職場環境を事前に確認できると、自分の障害特性に合った職場を見つけやすくなります。

障害者雇用求人の詳細欄にはバリアフリー設備や制度については記載があることが多いのですが、それ以上のことについてはなかなかわかりにくいものです。

障害者雇用に熱心な企業であれば、企業のホームページにも障害者雇用専用の紹介ページが作成されているので、企業の社風や障害者に配慮する考え方・職場環境などを知る事ができますが、可能であれば自分の目で職場を確認したり職場体験するのが一番です。

ミスマッチ防止:業務や 職場環境を事前に把握することで、入社後に業務に支障をきたすといったミスマッチを防ぐ。

人間関係:円滑な人間関係を築きやすく働きやすい上司や同僚かどうかを確認できる。

必要なサポートの有無:バリアフリー設備や制度・配慮が得られるなど、働きやすい環境かを確認できる。

まずは職場環境を確認したいときは、職場見学を申し込むといいね。
自分が望む配慮が可能かその場で質問もできるから。
*職場見学を受け入れていない企業もあります。

次に紹介するトライアル雇用制度も含めて、ハローワークの求人で対応している企業があるよ。

全ての企業が対応しているわけではないので、詳しくはハローワークなど求人を出しているところに問い合わせてみてね。



障害者トライアル雇用制度の活用

ミスマッチのない就職を目指す具体的な制度として、就職活動中に「障害者トライアル雇用制度」や「職場実習」を活用する方法があります。

これらの制度を利用することは、就職を希望する障害者本人だけでなく企業にとっても大きなメリットがあります。

障害者トライアル雇用制度
  • 企業が、障害者を原則3か月間試行雇用し、適性や能力を見極め、継続雇用に繋げることを目的とした制度。
  • 企業は、労働者の適性を確認した上で継続雇用の判断が出来るため、障害者雇用への不安解消に繋がる。
  • 企業は、制度の利用に当り、助成金を受けることができる。
  • 要件に該当しトライアル雇用を希望する場合は、対象者となる。

参考:「障害者トライアル雇用」のご案内」

職場実習
  • 障害者の中には、就労に対して不安を抱えている方もまだまだ多い。また、企業側も、障害者を雇用する不安を抱えている場合がある。
  • 障害者の職場体験を通じて、企業の障害者雇用への理解を進めることを目的としている。
  • 障害者は、就業前に職場体験ができるため、実際に働くイメージを持つことや労働環境・雰囲気を知ることが出来る。

私は通所している就労移行支援事業所で紹介された企業で、3日間の職場実習に参加させてもらったよ。

トライアル雇用では、その後8割以上の方が継続雇用されている結果があるよ。
希望する場合は、ハローワークや通所している就労移行移行支援事業所に相談してみてね。

障害者手帳がある重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者の方は、トライアル雇用の他の要件に該当していなくても対象者なんだね。

私もトライアル雇用に申し込みしてみようかな。



障害者雇用を行っている企業の全てが対応しているわけではありませんが、希望する場合は、以下の方法でチャンスを作りましょう。

  • ハローワークの窓口に職場実習などを行っている企業かを確認する

  • 就労移行支援に通所しているのであればその企業への問い合わせを依頼する

実際に、障害者雇用で実習を経験した人としなかった人とでは、経験した人の方が就職率が高いとう報告データもあるよ。




まとめ


今回は、【障害者雇用】は狭き門?突破するための道筋と秘訣まとめと題して、以下のことをご紹介しました。

  1. 障害者雇用の基本知識
  2. 障害者雇用が狭き門となる理由
  3. 障害者の正社員雇用の現状
  4. 障害者雇用が採用されやすい理由
  5. 障害者雇用のメリット・デメリット
  6. 障害者向け就労支援機関
  7. 採用されやすい人になるための秘訣
  8. 障害者雇用の応募までの流れや面接対策
  9. 長く働くためのヒント



結論として、障害者雇用の狭き門を突破しその後も安定して働くことを目指すには、以下の方法が大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職サイト・エージェントからの求人応募



障害者雇用枠は「狭き門」ではありますが、障害者雇用だからつかめるチャンスもあります。

障害者雇用だからつかめるチャンス
  • 法廷雇用率の引き上げ
  • 実はライバルが少ないなく大手企業も狙える
  • キャリア形成があまり求められない企業もある


障害者雇用の基本を押さえ道筋を立てて就職活動をしていく事で成功率が高まりますので、ぜひ今回の記事を再度確認して行動していってください。


最後にチェック!

障害者雇用の狭き門を突破するには

  • 障害専門の転職サイト・転職エージェントの活用
  • 就労移行支援など就職サポート機関の利用


就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラム支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。

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障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。

障害の種類なども含め基本情報の登録することで、サポートを受けたり求人応募が出来るようになるよ。

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*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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