「障害者雇用で事務職は難しいのかな…」
「応募しても、書類選考で落とされてしまう」
「事務職にはどんなスキルや資格が必要なの?」
こんな風に、事務職での障害者雇用に対して悩みや疑問を抱えているのではないでしょうか。
障害者の方が事務職に就くのは「難しい」と言われることがあります。これは、人気職種である背景や必要なスキルがあることも関係しています。
今回の記事では、以下のことをご紹介します。
- 障害者雇用の事務職の現状
- 障害者雇用で事務職が難しいと言われる理由
- 事務職に必要な資格やスキル
- 事務職に就くための3つの成功ポイント
結論として、障害者雇用で事務職での転職や就職を目指すには、以下の方法が大切です。

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。
この記事を最後まで読むことで、障害者雇用で事務職の就職が「難しい」と悩む方が、解決の第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
障害者雇用の事務職の現状


事務職の種類と仕事内容
事務職には多くの種類があり、主に以下のようなものがあります。
- 一般事務: 書類の作成や管理・データ入力・電話応対など・幅広い業務を担当。特に小規模な企業では多岐にわたる業務を行うことが多い。
- 営業事務: 営業部門に特化した事務作業。見積書や請求書の作成・在庫管理・顧客対応などを担当し、営業職のサポートを行う。
- 経理事務: 会社のお金の流れを管理し、出入金管理や伝票処理、経費精算などを行う。正確な数字管理が求められ、企業の財務健全性を保つ重要な役割。
- 総務事務: 企業全体の運営に関わる業務を担当。備品管理や社内イベントの運営、人事関連業務なども含む。社内環境を整え、社員が働きやすい環境作り全般を担う。
- 法務事務: 契約書のチェックや法律関連の問い合わせ対応など、企業の法的な側面をサポートする。法的トラブルを未然に防ぐための重要な役割。
- 貿易事務: 輸出入に関する手続きを行う。通関手続きや貿易関連書類の作成などで、国際的な取引において重要な役割。
- 医療事務: 病院やクリニックで働き、患者受付や診療報酬請求業務(レセプト業務)などを行う。医療現場での円滑な運営に欠かせない職種。



事務職といっても、実際にどのような仕事をするかは、会社の規模や、所属する部署によって異なるみたいだね。



今回の記事では、障害者雇用で募集が比較的多い一般事務や営業事務・総務事務・経理事務を中心とした内容で紹介していくよ。
ちなみに、「医療事務」を目指したい場合は、医療事務の資格を取得することで就職が有利になります。医療事務資格を最短1ヶ月でめざせ合格率90.8%の実績がある【日本医療事務協会】などの通信講座を利用して資格取得することも出来ます。
事務職の業務内容と働き方
一般的な事務職の業務内容は、以下のようなものがあります。
- 見積書・請求書・契約書などの書類の作成や処理
- 顧客情報や売上データを正確なデータ入力と管理
- 作成した書類を適切に分類しファイリングや整理して保存
- ビジネスマナーを取り入れた電話応対や来客対応
- 郵便物の発送・仕分け
- 文房具やオフィス機器の備品管理や発注
- 会議室の予約や参加者などスケジュール管理や会議の調整
- 社員の勤怠管理や給与計算などの人事関連業務
また、事務職での働き方ではフルタイム勤務はもちろん、企業の勤務形態や障害者雇用での配慮として以下のような働き方が出来る場合もあります。
- フレックスタイム制
- 在宅勤務
- 時短勤務




障害者雇用の「事務補助」の仕事内容
ちなみに、障害者雇用での事務職求人をみていると、「事務補助」という職種を目にすることがあるのではないでしょうか。
具体的には、資料の準備、簡単な電話の取次ぎ、PCを使用したデータ入力や確認作業、資料やデータのファイリング、データベースへの整備などの業務です。
これらの業務は、主にPCに向かって行うため、対人業務は少ない傾向があります。
障害者雇用においては、職場での合理的配慮が必要なため、「事務職」のサポート的な業務を設けることで、特定の業務を避けるための配慮をしたり、体調や体力面などの配慮をしていることもあります。
事務職が人気の理由
障害者雇用において事務職が人気である理由は、いくつかあります。
- 体力的な負担が少ない:事務職は主に座って行う作業が中心であり、身体的な制約を持つ方々にとって魅力的である。
- 対人コミュニケーションの負担を軽減:営業職など比べ事務職では比較的少人数とのやり取りで済むため、精神的なストレスを少なく出来る。
- スキルを活かせる機会が多い:WordやExcelなど一般的なPCスキルを活かして業務を行う企業が多く、これまでの経験やスキルが活かせる。また、PCの基本操作が出来れば事務未経験での採用もある。
- 合理的配慮を受けやすい環境:(障害特性にもよる面もあるが)オフィスや在宅での業務のため、障害者の特性に応じた働きやすい環境を整えやすい。
- 求人倍率の高さ:上記で紹介したようなメリットがあり、事務職は多くの応募者が集まるため、企業側も障害者雇用の求人職種の1つにしている。



事務職は、障害者雇用で求人が比較的多い職種の理由がわかるね。
障害別で多い職業とは
ちなみに障害別では、以下の職業に就いている割合が最も高くなっています。
- 身体障害者 事務的職業 26.3%
- 知的障害者 サービスの職業 23.2%
- 精神障害者 事務的職業 29.2%
- 発達障害者 サービスの職業 27.1%
参考:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査を公表します」



身体障害や精神障害の方は、事務的職業に就いている割合が高い傾向があるんだね。



確かに、発達障害の私は、視覚過敏があるので、文章が多い作業や細かいデータ作業は苦手。私には事務職はハードル高いのかも・・・。



障害や個人の特性によっては、事務職は向かない場合もあるかもしれないね。




障害者向け転職サイト・エージェント
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就労移行支援事業所
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- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
障害者雇用で事務職が「難しい」理由


障害者側の「難しさ」



事務職に応募する障害者側が感じる事務職の「難しさ」には、以下のようなものがあるよ。
- スキルや資格の不足
-
事務職では、PC操作やコミュニケーションスキルが求められる。WordやExcelといったOffice系ソフトの使用経験や他者とコミュニケーションをとりながら正確なデータ処理や書類作成などの業務対応が必要であり、これらの経験やスキルを応募書類や面接で上手にアピールできないと就職活動で不利になりやすい。
求人応募資格の欄に「Word・Excel基礎レベル」などの条件記載があるよね。
PCの基本操作が出来れば事務未経験での採用もあるけれど、WordやExcelのスキルを求められることは多いね。
- 健康管理の難しさ
-
障害者雇用では週30時間以上のフルタイム勤務の求人の割合が高いため、勤務時間への適応が出来ない・体力や健康状態が不安定な場合は応募が難しかったり、就職出来ても安定した勤務が難しい。
体力仕事ではないといっても、その業務や労働時間に対応できる健康管理は必要だね。
在宅勤務や時短勤務に対応していない企業もあるしね。
- 自己理解と合理的配慮の不足
-
障害の自己理解が出来ていない場合、適切な合理的配慮を求められない。それにより、業務遂行の困難が発生したり職場でのストレスや不安を増大させたりする可能性がある。
また、合理的配慮は企業側に過重な負担にならない範囲をされているため、希望する全ての配慮を受けることが出来るとは限らない。 - ビジネスマナーやコミュニケーション能力の不足
-
事務職は他部署との連携や顧客対応が多く、円滑なコミュニケーション能力が求められる。職場で研修が行われる場合もあるが、社会人としてのビジネスマナーが備わっていない・障害特性としてコミュニケーションの困難があるなどの場合は、就職前に基本的なことは身に着けておく必要がある。
これらのスキルを補いたいときは、就労移行支援事業所に通所して身に着ける方法もあるよ。
コミュニケーションやビジネスマナーは就職に関わるのでカリキュラムで組まれている場合も多いよね。
いろんな就労移行支援事業所があるので、施設見学をしてカリキュラムや支援実績を確認してみてね。
- 競争率の高さ
-
事務職は障害者雇用枠でも人気があるため応募者数が多く、競争率が高い傾向がある。この競争の中で、自分自身のスキルや経験をアピールして採用を勝ち取る必要がある。
大手企業など人気企業は特に倍率が高そう・・・




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企業側の「難しさ」
企業側が障害者を雇用する際の課題・配慮事項で最も多いのは、「会社内に適当な仕事があるか」です。



障害別では、以下の割合だよ。
「会社内に適当な仕事があるか」が課題と回答した企業の割合
- 身体障害者では 77.2%
- 知的障害者では 79.2%
- 精神障害者では 74.2%
- 発達障害者では 76.9%
参考:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査を公表します」



全ての障害に対して、企業の悩みなんだね。



事務職でもいろんな業務があるし、障害者雇用では障害を理解したり合理的配慮も必要になるからね。




事務職に必要な資格やスキル


事務職の種類にもより違いはありますが、一般事務・営業事務・経理事務・総務事務などで一般的に必要な資格やスキルには、以下のようなものがあります。



同じ事務職でも、必要なスキルのレベルや資格は企業の業務によって違うので、目指す企業の求人詳細で確認してね。
資格
- Microsoft Office Specialist (MOS):ExcelやWordのスキルを証明する資格で、多くの企業で重視する。
- 日商簿記検定: 会計や財務に関する知識を証明する資格で、経理業務を含む事務職で有利。
- ビジネス能力検定: ビジネスシーンで必要な基本的な知識やスキルを測る試験。
- 秘書検定: 秘書業務に必要な知識や技能を証明する資格で、事務職でも役立つ。
スキル
- PCスキル: WordやExcelなどのofficeソフトの基本操作。タイピングの正確さや速さのスキルも重要。
- コミュニケーションスキル: 社内の連携や顧客対応のための円滑なコミュニケーション能力。
- 柔軟性と臨機応変な対応力: 急な業務依頼や対応変更に対応する能力。
- 自己管理能力: 自分の体調や作業量を適切に管理して業務遂行するの能力。
- 細かい注意力: 書類やデータのチェック・誤りを見逃さないための注意力。



私が通所している就労移行支援事業所では、事務職を目指す人が多いので、パソコンやコミュインケーションのカリキュラムが多く組まれているよ。
事務職の就職をめざす!3つの成功ポイント


①書類選考に受からない原因を見つける
事務職に限らず、障害者雇用で就職は「狭き門」でもある面もあります。
「なぜ書類選考がしないのか」「なぜ二次面接では採用見送りになるのか」など原因を確認しましょう。
- 応募する企業や職種の条件を理解しているか
- 募集に必要なスキルや資格を満たしているか
- 必要なスキルや資格を応募書類に記載できてきるか
- 応募書類や面接でも効果的にアピール出来ているか
- 障害の自己理解を深めており、対応可能な業務といえるか
先にお伝えしたように、障害者雇用において企業側は「会社内に適当な仕事があるか」「どんな仕事を任せることが出来るか」か悩みながら業務を作り出している背景もあります。
「企業が募集する職種やそれに求められるスキルや資格を理解し、その業務を遂行できるであろう人材である」ことは、障害者雇用においても採用に大切なポイントです。



私は初めて障害者雇用での就職を目指すので、自分の現状や適性を確認したり就職相談するために、就労移行支援事業所に通所を決めたよ。


②事務職に必要な資格とスキルの習得
先にお伝えしてきたように、事務職には必要な資格やスキルがあり、それを応募条件にしている企業が多くあります。
ハローワークや転職サイトに掲載のある事務職の求人を閲覧してみましょう。
ExcelやWordなどのように、よく求められるスキルや資格があります。習得が必要なものは学び、応募できる企業を増やしましょう。そして、履歴書や面接でアピールすることが大切です。
資格やスキルが応募書類に記載されている・面接でそのレベルを細かく受け答え出来ることは、企業側に「どんな仕事が任せられるか」の明確なアピールに繋がります。
また、



事務職に限らず、これらのことが出来ればオープンポジションなど他の職種を目指すことも出来るかもしれないね。



私は通所している就労移行支援事業所で、ExcelやWordを基礎から学び直したり、ビジネスマナーのカリキュラムを受講してるよ。
③障害者向け就職支援機関のサポート
事務職に限らず、障害者の方が就職を目指す場合は、障害者向けの就職支援機関を利用することがポイントです。



障害者雇用の現状、企業や職種で求められるレベルなどもあるので、一人で就職活動しないことが大切だよ。
就職に関わるサポート機関にはそれぞれ役目があり、以下のような機関があります。
- 障害者就業・生活支援センター
- 地域障害者職業センター
- ハローワークの障害者専門部署
- 就労移行支援事業所
- 障害者専門の転職サイトやエージェント
そして、先にお伝えもしましたが、
事務職など、目的に応じたスキルを身に着けながら就職までのサポートやその後の定着支援を受けたい場合は、就労移行支援事業所に通所して就職を目指すことも1つの方法です。



私は、いくつの就労移行支援事業所に施設見学に行って、自分に合う事業所を見つけたよ。



そうだね。
施設見学をしたり、カリキュラムや支援実績を確認して決めるのが大切だね。
また、実際の求人と出会う方法としては、以下の方法があります。
- ハローワークの障害者雇用求人の検索や専門部署への相談
- 障害者向け転職サイトやエージェントでの検索や紹介
- 障害者向けの合同企業説明会・面接会への参加



専門の就職支援を受けると一人で就活するよりスムーズに進みやすいよね。
私はハローワークだけでなく、転職サイト・エージェントは障害の種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートの【dodaチャレンジ】や、細やかな情報掲載が魅力のアットジーピー【atGP】に登録して利用しているよ。



いいね。この2つは首都圏だけでなく全国の求人の取り扱いがあるからね。
ちなみに、首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】もあるよ。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。



それぞれ傾向があるので、まずは転職サイトやエージェントなども登録して求人を見てみたらいいよ。
支援機関の利用については、以下の記事内の「障害者雇用の正社員求人を見つける方法」欄で詳しく紹介していますので参考にしてください。


障害者向け転職サイト・エージェント
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 首都圏・関西地域中心なら【マイナビパートナーズ紹介】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
まとめ


今回の記事では、障害者雇用【事務】職は難しい?理由と3つの成功ポイントと題して、以下の内容をご紹介しました。
- 障害者雇用の事務職の現状
- 障害者雇用で事務職が難しいと言われる理由
- 事務職に必要な資格やスキル
- 事務職に就くための3つの成功ポイント
結論として、
事務職に就くための3つの成功ポイントは、以下の3つです。
- 受からない原因を見つける
- 事務職に必要な資格とスキルの習得
- 障害者専門の就職支援機関のサポート
そして、事務職など自身の希望や障害に適した就職先と出会う可能性を高めるには、以下のような方法が大切です。



就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラムや支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。
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障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。
障害の種類なども含め基本情報の登録することで、サポートを受けたり求人応募が出来るようになるよ。
\ お勧め転職サイト・エージェント /
*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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