「就労移行支援中の生活費はどうしているの?」
「アルバイトも原則禁止だよね?」
「生活費にあてられる制度などはある?」
そんな疑問を抱えていませんか?
就労移行支援は、障害や難病のある方が一般就労を目指すための支援を受けられる福祉機関ですが、就労移行支援は数ヶ月~2年間通いますので、利用の際にはその間の生活費を考えて不安になる方もおられるのではないでしょうか。
今回の記事では、以下のことをご紹介します。
- 就労移行支援の基礎知識
- 就労移行支援中にかかるお金
- 就労移行支援中に生活費を賄う方法
- 支援実績が高い事業所を選ぼう
最終的な結論として、自分に合う職場や企業と出会って一般就労を目指すのであれば、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。
この記事を最後まで読むことで、生活費を賄う制度などを活用して就労移行支援を利用していただけると幸いです。
就労移行支援の基礎知識


- 就労移行支援の利用条件と対象者
- アルバイトは原則禁止・賃金はない
- 就労移行支援からの就職率



詳しく紹介していくよ。
就労移行支援の利用条件と対象者
就労移行支援とは、障害者総合支援法に定められた「障害福祉サービス」のひとつで、障害や難病のある方が一般就労で働くために必要な知識やスキルを習得し、就職(復職)後も職場に定着できるようサポートを行う場所です。
就労移行支援は、原則2年間まで利用できることになっており、職業スキルなどを身に着けながらある程度の時間をかけて支援を受けながら一般就労を目指していきます。



一般就労に必要な職業スキルを身に着けたり、社会的マナーやコミュニケーションの訓練を受けたりに加え、個別の就職支援も受けることができるよ。



そうそう。
私は、就職後の定着支援まで受けることも可能なことも魅力に感じて利用を決めたよ。障害者の離職率は一般に比べて高いからね。
就労に関してトータル的なサポートを受けることが出来きるのがうれしい。
就労移行支援で受けることが出来る支援
- 働くための生活リズムを整える
- 職業スキルの習得
- 個別の就職支援
- 就職後の定着支援



職業スキルは事業所によって特徴があって、ExcelやWord、プログラミング・WEBデザインなども学べる事業所もあるよね。



そうそう。
日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】はもちろん、WebデザインやITスキルが身に就く【atGPジョブトレIT・Web】、AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるから、施設見学したりしていろいろ知った上で選ぶといいね。



ちなみに、
【ミラトレ】は、就職率85%・職場定着率90%(就職後半年後の定着率)、
【Neuro Dive】では、ITに関わる職種への就職率が80%以上、就職後の職場定着率95%以上 (就職半年以上の定着率)だよ。
就労移行支援を利用できるのは、以下に挙げる条件をすべて満たしている方になります。
- 18歳以上65歳未満である
- 障害や難病の診断を受けている
- 就労意欲があり一般就労を目指す人
- 失業している



就労移行支援事業所の利用については、障害福祉サービス受給者証の交付をうけていれば、障害者手帳を取得していなくても利用することができるよ。
*ただし、障害者雇用での就職を目指す際は、応募のために障害者手帳が必要になります。
また、就労移行支援の利用が向いている方は、以下のような希望や目的のある方です。
- 就職や転職をサポートしてほしい
- 障害があって就職活動が不安
- 少しずつ社会復帰を目指したい
- 何度も就活に失敗している
- 就職に必要なスキルを身につけたい
- 適職を見つけたい



職業スキルを身に付ける期間をとって就職支援も受けながら一般就労を目指したい、その後も安定して働き続ける支援が欲しい方は、就労移行支援を利用するといいね。



そうだね。
後述するけれど、就労移行支援は他の就労支援機関よりも一般就労への移行(就職率)が高いので、そのことも知って、是非利用してね。
アルバイトは原則禁止・賃金はない
ちなみに、「就労移行支援を利用したら、工賃や賃金は出るの?」と疑問がある方もおられるかもしれません。
結論として
理由は、
就労移行支援は、障害や難病がある方が業務スキルを身に着けたり個別の就職支援を受けたりする用途で利用し、一般就労(一般企業と雇用契約を見住んで就労すうること )を目的とするための支援をしてくれる場であるからです。



就労移行支援は、就職してから給料を得て自立することを目的としているよ。
そのため、工賃や給料の有無ではなく、就職率や定着率などの支援実績で事業所を選ぶことが大切だよ。
ただし、生活費が賄えるような金額ではありませんが、一部の就労移行支援事業所では工賃が発生する場合もあります。また、通所中に就職活動としてトライアル雇用制度を利用した場合は働いた企業からの給料が発生します。
詳しくは以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。


就労移行支援からの就職率
就労移行支援は、「一般就労(企業や公的機関などと労働契約を結んで働くこと)を目指す方」が通所する場所であることをご紹介しましたので、その就職率をご紹介しておきます。



令和5年度の全国平均では、就労移行支援から一般就労への移行は58.8%で一番高くなっているよ。





障害者雇用で一般企業に就職するように、一般就労のための就職支援を受けたいのであれば、就労移行支援に通所することが1つのポイントなんだね。



そうだね。
就労移行支援事業所は、ハローワークや障害者職業センターなどと連携しながら障害者の就職も支援してくれるよ。
就労移行支援事業所はいろいろあるので、施設見学をしたり、カリキュラムや就職支援実績を確認して自分に合う事業所を選ぶことが大切だよ。



ちなみに私は、就職の可能性を高めたいので、就労移行支援で就職支援の段階に入った時に、求人についてはハローワークだけでなく障害者向けの転職エージェントも登録したよ。
障害の種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートしている【dodaチャレンジ】や細やかな求人掲載が魅力のアットジーピー【atGP】からまずは登録して利用しているよ。
この2つは全国の求人を扱っているからね。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。



自分でも就職に向けて積極的に動けていて◎だね。



ちなみに、一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)と大阪の求人紹介なら【障害者雇用バンク】もあるよ。
必ず10件以上の求人を紹介してくれるよ!
*対象:身体・知的・精神障害全てに対応。45歳までの方。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。


就労移行支援中にかかるお金


ここまで、一般就労を目指すのであれば、就労移行支援に通所して就職活動をすることが一般就労の可能性を高めることをお伝えしてきました。
ただし、就労移行中は原則としてアルバイトなどで収入を得ることは出来ません。
利用者が働いていない状態で利用する就労移行支援ですが、就労移行支援を利用するにあたっては発生するお金がありますので、最初におさえておきましょう。
- 就労移行支援の利用料金
- 交通費や就職活動費など
- 就労移行支援中の生活費



詳しく紹介していくよ。
就労移行支援の利用料金
就労移行支援の利用料(費用)は、前年の世帯収入によって発生する場合があります。
世帯の収入状況 | 詳細 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
*ここでの「世帯収入」とは「本人と配偶者」の収入の合計となり、親の収入は換算されません。
参考:障害者の利用者負担



利用回数にかかわらず、負担上限月額以上の負担は発生しないよ。
利用料(費用)についてはお住まいの自治体が決めるため、上記はあくまでも目安となります。
利用の際は、お住まいの自治体に問い合わせを行ってください。



私は通所前は一般就労をして収入がある程度あったので、就労移行支援事業所を利用した1年目は9,300円を毎月支払ったけど、働いていないので2年目は非課税世帯になっていたので0円になったよ。



自分が働いて収入があった場合などは費用が発生することがあるよね。
ちなみに、就労移行支援は、約9割の方が無料で利用しているよ。



私が通所している事業所も9割の方が無料で利用しているよ。
前年まで学生だった方、引きこもりだった方、無職だった方、低所得だった方などがおられるからね。
交通費や就職活動費など
就労移行支援は基本的にい事業所に通所しますので、自宅から事業所までの交通費がかかります。
また、午後までカリキュラムを受けるときは昼食も用意する必要があります。外出して食べたりコンビニなどで購入する場合もあれば、お弁当を持参して食費を抑えることもできますが、いずれにせよ昼食代がかかります。



ただし、交通費については就労移行支援で支給してもらえる事業所もあるよ。
また、自治体によっては交通費などを含めて更生訓練費が支給されることもあるよ。



その事業所に通所した場合、交通費などがでるか最初に事業所に確認しておくといいね。
そして、就労移行支援で就職活動を行う際は、一般的な就職活動と同様に、応募書類の郵送費や面接に行く際の交通費など就職活動に関わる費用がかかります。
また、職業スキルを身に付けた証明として資格を取得する場合はその受験費用などが発生します。
就労移行支援の活動でかかるお金
- 就労移行支援に通所する交通費
- 通所中の昼食代や飲み物代
- 就職活動費
- 資格取得費



まとめると、通所中には活動などを行う中で、上記のようなお金がかかってくるよ。



当たり前といえば当たり前だけど、知っておく必要があるね。
就労移行支援中の生活費
就労移行支援は、障害や難病などで就労に困難を抱える方が利用する一般就労を目指すための就労支援機関のため、転職活動だけの時のように働きながら利用することは出来ません。
そのため、利用者自身では収入がない状態で利用することになりますので、就職するまでの期間の基本的な生活費が必要になります。



次の章では、就労移行支援中の生活費の賄い方を詳しく紹介していくよ。
就労移行支援は一般就労を目指す障害や難病がある方にとって助けになる機関ですが、利用するには、その間の生活費や就職活動費はもちろん、個々の条件に応じて利用料がかかる場合があります。
こういった就労移行支援の特長と自分の目的を一致させておかないと、「お金がかかるから利用はやめとけ」となってしまいます。


障害者向け転職サイト・エージェント
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 20~30代の一都三県と大阪の就職は【障害者雇用バンク】
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
就労移行支援中に生活費を賄う8つの方法


就労移行支援は一般就労を目指して通う事業所なので、利用中に給料や工賃が発生することは基本的にありません。
また、アルバイトも原則として禁止させれています。
そのため、就労移行支援中は以下にご紹介していくような方法で生活費を賄って行く必要があります。
ここでは、生活を補う制度や方法を8つご紹介していきます。
- 傷病手当
- 失業保険(雇用保険)
- 障害年金
- 各種給付金や貸付金
- 親などからの援助や貯金
- 生活保護
- 生活費の負担を助けてくれる制度
- お金の相談ができる機関



詳しく紹介していくよ。



組み合わせることで生活費が賄える場合もあるので、自分の場合に当てはめてみてね。
①傷病手当
傷病手当金とは、会社などに所属して健康保険に加入しているときに、けがや病気などで働けなくなった場合に支給される手当金です。
*国民健康保険の人は対象外です。



ここでいう病気の中には精神疾患も含まれるので、うつ、適応障害、統合失調症などで会社を休職している方も対象だよ。



私は以前の職場では、パニック障害の診断で傷病手当をもらったことがあるよ。
例えば、3か月の休職期間の後に離職した場合、残りの1年3か月間も傷病手当金を受け取り続けられます。
*次の就職が決まる働き始めれば支給は止まります。



ただし、次に紹介する雇用保険(失業保険)との併用しての受給はできないので注意してね。



傷病手当金を受け取っている方の場合、気を付けるのは失業保険(雇用保険)への切り替えタイミングだよ。



そうそう。
私はパニック障害になって在職中に傷病手当をもらい、3か月後に退職したんだけど、傷病手当と失業給付の関係をしらなかったので、離職後すぐ失業給付に切り替えてしまい、傷病手当の残り1年以上の期間を放棄してしまったよ。
傷病手当金と失業保険(雇用保険)は同時に受けられません。そのため、
障害者手帳を取得しているような「就職困難者」の方の場合は、傷病手当金と失業保険を合わせると最大で約2年半は生活費に相当するかもしれない金額を受け取ることができます。
しかし、早々に失業保険(雇用保険)に切り替えてしまうと、本来よりも短い期間の受給になってしまうので注意しましょう。



私みたいに失敗しないために気を付けてね!
では、支給される条件などを簡単に紹介しておきます。
- 【支給されるための条件】
-
・業務外の病気やケガであること
業務内での病気やケガは、労災の対象となるため、傷病手当金を受け取ることはできません・仕事に就くことができないこと
病気を発症したり、けがの治療中であったとしても、業務の内容を変更して仕事をしたり、短時間でも勤務している場合は対象外となります。・連続する3日間の休業を含めて4日間以上仕事に就けなかった状態であること
病気やケガの療養のために3日間連続して休んだときに、4日目の休みの日から支給されます。・仕事を休んだ期間に給与の支払いがないこと
給与の支払いがある場合には、傷病手当金は支給されません。
ただし、支払われている給与が傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給されます。 - 【支給額】
-
支給開始日以前の継続した12ヶ月間の平均給与÷30日×3分の2
- 【支給期間】
-
支給開始日から支給期間を通算して1年6ヶ月の期間を限度とする
- 【申請方法】
-
STEP医療機関を受診する
医療機関を受診し、病気やケガが原因で仕事に就けないことの医師に診断をしてもらい診断書を書いてもらう。
STEP申請書を作成する傷病手当金支給申請書の作成を行う。
STEP申請書を提出する健康保険組合、もしくは協会けんぽに申請書を提出する。
企業側がある程度の提出への対応はしてくれることも多いのではないかな。
②失業保険(雇用保険)
就労経験がある人で多い方法が、失業保険(雇用保険)です。



働いていた際に労働時間などを満たして「雇用保険」に加入していた人は、退職後に受け取ることができるね。



給付額は働いていた時の給与の5~8割程度支給されるよね。
繰り返しになりますが、傷病手当とは併用は出来ません。
傷病手当を受けている方は、失業保険(雇用保険)への切り替えタイミングを間違えないようにしましょう。



「就職困難者」失業保険の給付日数は以下の通りだよ。





金額が全ての生活費を賄える金額かは個人個人の差があるけれど、原則2年以内の就労移行支援の利用には、支えになるね。



会社を退職する時点で、「就職困難者」であることがポイントだね。



そうだね。



ちなみに、私は
前職の退職の少し前に発達障害の検査を受けて退職後に診断されたので、「就職困難者」にはなれなかったよ…。
精神障害者保険福祉手帳の取得は診断から半年後に障害者手帳の申請がやっとできるので、何か気になる症状があるときは働いている時点で通院を開始するなど早めに動くことも大切だね。
失業保険は、退職したら自動的に受給できるものではなく、ハローワークでの申請が必要です。
失業保険を受け取るための条件
- 雇用保険に加入し、保険料を支払っている
- 離職の日以前2年間に12ヶ月以上の雇用保険の被保険者期間がある
- 就労の意志と能力があり、求職活動を行っている
- 失業保険を受給するには、「失業の状態」である
*就職困難者の場合は一部条件が異なります。



「失業の状態」とは、「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにも関わらず、職業に就くことができない状態」を指すよ。



就職する意志がない方、病気や怪我、出産などを理由に就職できない方は失業の状態とみなされないから、失業保険を受給することができないよね。
失業保険は申請さえすればそのまま受給し続けられるものではなく、基本的には4週間に1度、認定日にハローワークで失業状態の報告を行う必要があります。
失業保険の給付額については、働いていた時の給与の5割から8割にしか満たないため、失業保険のみで生活を維持していくことは難しいことも考えられます。そのような場合にも、足りない生活費は貯金などで補う必要があります。
失業保険については、以下の記事で詳しくご紹介していますので是非参考にしてください。


③障害年金
障害年金は、けがや病気などで生活や仕事に大きな影響が出ている方に支給される年金のことです。
障害年金は、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。初診日に加入していた年金によって、国民年金なら「障害基礎年金」、厚生年金なら両方が支給されます。年金の金額は障害の等級によって決まります。



障害年金の受給資格がある方は、失業保険などが支給されているときも受け取ることができるのが助かるね。



そうだね。
障害年金の申請自体が大変な面があるし、精神障害(発達障害含む)の場合は初診から1年半後にやっと申請ができるので受給の可能性がある方でもすぐに受給できるものではない点には注意が必要だけどね。
繰り返しますが
障害者手帳を持っていてもすべての人が受給できるとは限らないことに注意してください。
障害者手帳の申請とは別に改めて審査が行われ、障害者手帳よりも認定基準が厳しいと言われているためです。



まずは、主治医に相談して、自分が障害年金受給の可能性がある障害状態かを確認してみてね。
また、医師の診断書の他に本人が作成する書類がたくさんあり、申請するハードルが高いという声もあります。自分では難しいと感じる場合は、費用はかかりますが社労士などの専門家に相談してみるのがよいでしょう。
④親などからの援助や貯金
就労経験のない人はこれまでも親御さんなどご家族から生活費を援助してもらっていて、引き続き経済的にフォローしてもらいながら就労移行支援に通う方が多くおられます。
また、一人暮らしをして働いていたけれど体調を崩したなどがあり、復職したい方は、実家に戻って生活させてもらいながら就労移行支援に通所する方もおられます。



自分の貯金を切り崩して就労移行支援に通うよりも、家族に支えてもらえる場合は生活の安定感は大きいよね。



生活できなくなる心配が少ないこことは、精神的負担も少なくていいよね。
私は今は貯金と失業保険で生活しているけれど、難しくなってきたら親に相談しようとおもっているよ。
⑤各種給付金や貸付金
ここまで紹介してきた方法で就労移行支援サービスを受けている間の生活費を賄うことが出来ない場合には、自治体や社会福祉協議会が行っている給付金や貸付金の利用を検討しましょう。



給付金については、早めに調べておき、生活を保つために利用できるものはした方がいいね。
例えば、住居確保給付金は、離職から2年以内であり、就労意欲はあるが収入がないことで住居を失う恐れがある方に対して賃料月額相当を支給(上限あり、原則3か月間、条件により最大9か月まで延長可)です。
本人確認書類の提出だけでなく、収入が確認できる書類、預貯金が確認できるもの、離職などが確認できる書類の提出が必要ですが、賃貸に住んでいる方は住居確保給付金が受けとれるか確認してみるとよいでしょう。



厚生労働省の住居確保給付金の窓口に問い合わせると、自分の地域の管轄センターを紹介してくれるよ。
そこで詳しく確認してみてね。
*給付金は返済の必要がなく貰うことが出来るお金ですが、貸付金はあくまで借りるお金であるため、返済の必要があるという点に注意しましょう。
⑥生活保護
これまでご紹介してきた内容では、生活を保つことができない場合は、生活保護の申請をする方法もあります。
生活保護は生活に困窮している方を対象に、最低限の生活を保障し自立を促進する公的な制度です。



生活保護を受給することができると、食費や光熱費、住宅費、医療費などの費用が支給されるよ。



受給要件には障害の有無ではなく、世帯全員の所得や資産などが基準なんだよね。



申請や問い合わせは自治体の生活保護課などになるよ。
詳しいことが知りたい方は問い合わせてみよう。
就労移行支援を利用して就職が決まった後も、短時間勤務などで給与が定められた額より低い場合は生活保護費との差額を受け取ることができて安心ですし、いずれ収入が増えれば受給を終えることもできます。



最後に
生活費の負担を助けてくれる制度と
お金の相談ができる機関
を紹介しておくね。
⑦生活費の負担を助けてくれる制度
障害のある方であればすでに利用している方も多いかもしれませんが、以下の制度を利用して生活の負担を減らす工夫をしてみましょう。
- ①自立支援医療制度
-
自立支援医療制度とは、障害の治療にかかる医療費の自己負担が少なくなる制度です。
自立支援医療制度は障害種別により分かれており、身体障害の方を対象とした「更生医療」「育成医療」と精神障害の方と発達障害の方を対象とした「精神通院医療」などがあります。
どちらも所得区分に応じて1ヶ月あたりの負担上限額が設定されていますが、多くは医療費にかかる自己負担額が原則3割のところが1割(もしくは、高額療養費(医療保険)の自己負担上限額)になることが多く、医療費を抑える助けとなる制度です。
申請は自治体の障害福祉窓口などでおこなうことができるよ。
私も利用しているよ。通院の診察代や薬代が抑えられて助かっているよ。
- ②障害者手帳
-
身体障害の方は「身体障害者手帳」、発達障害を含む精神障害の方は「精神障害者保健福祉手帳」、知的障害の方は「療育手帳」を申請することができます。
障害者手帳を取得すると、税金の減免、公共交通機関の割引、公的な施設の利用料の割引などを受けることができます。申請は自治体の障害福祉窓口などでおこないます。
障害種別や等級で受けられる割引などには違いがあるよ。
詳しくは、障害者手帳が発行されたときに窓口でもらえるしおりなどを確認してみてね。ちなみに私は、障害者手帳を取得したことで遊びなどでも割引を利用しているよ。
「障害者手帳で行こう~全国版~」を活用してみてね。県外に遊びに行くときも使えて便利だよ。 - ③更生訓練費などの自治体による補助制度
-
自治体によっては、「更生訓練費」が支給され就労移行支援の利用にかかる費用を助成する制度がある可能性があります。
更生訓練費は、就労移行支援などを利用するのにかかる文房具や参考書などの費用を助成する制度です。ほかにも就労移行支援事業所などに通っている方の交通費を助成する「施設等通所者への交通費補助」制度などがある自治体もあります。
これは、通所前に更生訓練費や交通費の支給があるかどうか、就労移行支援や自治体に確認しておくといいよ。
私の住んでいる地域の自治体では、更生訓練費で交通費などを支給してくれるので、とても助かっているよ。
⑧お金の相談ができる機関
「障害者就業・生活支援センター」や「自立相談支援事業」、「相談支援事業所」といった就労移行支援を利用する際の生活費や収入減などお金に関する相談ができる機関もあります。



「就労移行支援に通所したいけどお金が不安…」という時には、まず最初に問い合わせするのがいいかもしれないね。



雇用保険の基本手当や傷病手当金、障害年金など生活費をサポートするための制度があること、自立支援医療や障害者手帳、更生訓練費など就労移行支援の利用の助けとなる助成制度もあることなどアドバイスが受けられるね。
就労移行支援の利用をしたいけれど、金銭面で不安という方は、一度お近くの「障害者就業・生活支援センター」や「自立相談支援」などへ相談してみましょう。
ちなみに、
一般就労をして障害者雇用で働いても生活費の確保が難しいのではないかとさらに先のことに悩んでいる方は、以下の記事で生活のための対策をご紹介していますので参考にしてください。


支援実績が高い事業所を選ぼう


ここまで、一般就労を目指すのであればその就職率において実績の高い就労移行支援を利用することが1つのポイントであるため、利用中の生活費を賄う方法もご紹介していきました。
しかし、令和5年度の全国平均では、就労移行支援から一般就労への移行は58.8%で他の就労支援よりも高くなっているとはいえ、「就労移行支援に通所すれば全員が就職できる」ということではないことに注意が必要です。
参考:一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)



就労移行支援の選び方は就職に大きく関わってくるよ。



就職率や就職後の職場定着率といった支援実績が高くて、身に着けたい職業スキルなど自分の目的とも合っている事業所を選ぶことが大切だよね。



そうだね。
ちなみに就労移行支援では大手である、
日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】は、就職後6カ月の職場定着率が90%程度あるので、定着支援にも力を入れていることが分かるよ。



【ミラトレ】と同じくパーソルダイバースが運営する就労移行支援の【Neuro Dive】では、ITに関わる職種への就職率が80%以上、就職後の職場定着率95%以上 (就職半年以上の定着率)だよね。
選ぶ事業所の支援実績を知って選択することは大切だね。
就職率などの支援実績が高い事業所の特長
- 充実したカリキュラム内容
- 専門性の高いスタッフの在籍
- 企業との繋がりの強さと多さ
- 施設外支援の積極的な実施
- 個別支援計画の徹底
就労移行支援事業所を選択する場合は、通所できる範囲の事業所であるかはもちろん、自分が習得したいスキルなどといった通う目的と合っているか、就職に関わる支援実績が高い事業所であるかを確認して選択するようにしましょう。
確認する方法としては、気になる事業所があれば事業所見学をしたり就職相談をしてみましょう。
事業所見学に訪問した際には、事業所の支援実績を紹介してくれたりカリキュラム内容を教えてもらえます。よさそうであれば数日の体験利用で事業所の雰囲気やカリキュラムを知る機会をもち、通所するかどうかを決めていきましょう。
できれば、気になる事業所をいくつかピックアップして、見学や就職相談、数日の体験利用をして、各事業所を比較してから自分に一番合う事業所を選択するのがよいでしょう。



私は、地域にある大手やローカルな事業所を5つくらい見学や体験利用させてもらってから、今の事業所に決めたよ。
もちろん、就職支援実績も確認してから決めたよ。
就職率が高い事業所の特長については、以下の記事で詳しく紹介していますので、是非読んでみてください。


障害者向け転職サイト・エージェント
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 20~30代の一都三県と大阪の就職は【障害者雇用バンク】
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
まとめ


今回の記事では、就労移行支援中の【生活費】はどうする?8つの生活費対策を解説と題して、以下の内容をご紹介しました。
- 就労移行支援の基礎知識
- 就労移行支援中にかかるお金
- 就労移行支援中に生活費を賄う方法
- 支援実績が高い事業所を選ぼう
就労移行支援では、原則としてアルバイトは禁止のため、以下の制度や支援などを利用して生活を賄うことが必要です。
- 傷病手当
- 失業保険(雇用保険)
- 傷病手当
- 障害年金
- 親などかの援助や貯金
- 各種給付金や貸付金
- 生活保護
- 生活費の負担を助けてくれる制度の利用
- お金の相談ができる機関へ相談
最終的な結論として、自分に合う職場や企業と出会って一般就労を目指すのであれば、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。



就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラムや支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。
\ お勧め就労移行支援事業所 /



障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。
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*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事がよかったなと思っていただけたら、是非シェアをお願いいたします。