「障害者雇用でも大卒が有利なの?」
「大学新卒が有利ってほんと?」
「新卒後はどんな採用基準になるの?」
大学、短期大学及び高等専門学校に在学する障害のある学生数は増加傾向にあります。その学生の方の中には、上記のような疑問をもちながら、就職を障害者雇用枠でするか一般枠でするかで迷っている方もおられるのではないでしょうか。
今回の記事では、以下のことをご紹介します。
- 大学に在籍する障害者の動向
- 大学新卒 障害者枠で就職するメリット
- 結論、障害者雇用は大卒が有利?
- 新卒後 学歴よりも重視されること
- 就職・転職に活用したい就労支援機関
結論として、大学新卒で障害者雇用での就職は有利な点がありますが、新卒後は企業の採用基準が変わるため以下の方法で就職を目指していくことが大切です。

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。
この記事を最後まで読むことが、障害者枠か一般枠かに迷う方の就職判断へのヒントになれば幸いです。
大学に在籍する障害者の動向


大学に在籍する障害者の数
独立行政法人日本学生支援機構の「令和5年度(2023年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査_結果報告書」によると、
「大学、短期大学及び高等専門学校」の障害学生数は58,141人で、前年度(49,672人)より8,469人増加しています。


出典:令和5年度(2023年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査_結果報告書
全学生(3,247,212人)に占める障害学生の在籍率は1.79%で、前年度(1.53%)より0.26ポイント増加となります。


出典:令和5年度(2023年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査_結果報告書
障害種別の障害学生数では、以下の通りです。
多い順に
- 「精神障害」 18,943人:前年度(15,787人)より3,156人の増
- 「病弱・虚弱」 15,181:前年度(13,529人)より1,652人の増
- 「発達障害」 11,706人:前年度(10,288人)より1,418人の増


出典:令和5年度(2023年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査_結果報告書



進学をしている障害者が増えているということだね。
大学新卒 障害者枠で就職するメリット


新卒学生が障害者枠で就職するメリット
障害のある大学新卒者が、障害者雇用枠で就職する主なメリットは以下のようなものがあります。
- 就職活動のサポート:新卒向けの人材紹介会社の活用や合同企業説明会を利用できる。
- 障害に対する配慮:職場で障害に対する合理的配慮が受けられる。
- 職場定着率の向上:(新卒に限らずだが)障害者が障害者雇用枠で働くことは安定した就労に繋がりやすい。
- 大手や有名企業に就職できる可能性:障害者枠の新卒で就職活動を進めると、この可能性が高い。
- 給与や待遇の平等性:同じ企業の同じ職種であれば初任給や待遇は一般雇用と変わらない。
ちなみに、令和5年度における障害別平均賃金は以下の通りです。



賃金とは、給料・手当・賞与など労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものを指しているよ。


参考:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査の結果」



障害者雇用では時短勤務などをしてたり、非正規雇用で働く方も多かったりすることが賃金に影響しているね。
厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況」によると、大卒者の初任給は男性で212,800円、女性で206,900円、男女計は210,200円となっています。



「新卒」は人生で一度だけだからね。
新卒で障害者雇用枠で就職するか、一般雇用枠で就職するかは慎重に判断していきたいね。



新卒だと大手企業などに就職できる可能性がより高いことや、給与や待遇の平等性があることは、仕事のやりがいにも繋がるね。
ちなみに、障害がある方が障害者雇用で働くメリットや大企業での就職を目指すメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。




大学の新卒を採用する企業側のメリット
企業側にも大学新卒の障害者を採用するメリットがあります。
- 大卒のため、ある程度の学力や専門性を持つ人材を採用できる。
- 大学に通学していた経験から、通勤や職場適応への対応が期待できる。
- 大学生活を通じて、一定のコミュニケーション能力が培われている可能性が高い人材の採用になる。
- 一般採用と同じタイミングで障害者の採用活動を進められるので効率がよい。
- 内定から入社までの期間が確保できるので、障害への配慮や配属場所の検討ができる。



障害者雇用に取り組むことで、企業は社会的責任を果たすだけでなく、法定雇用率を満たすことで助成金を受けたりすることができるよ。



そういった一般的な障害者雇用のメリットに加え、新卒採用では上記のようなメリットががるんだね。
障害者向け転職サイト・エージェント
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 首都圏・関西地域中心なら【マイナビパートナーズ紹介】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
結論、障害者雇用は大卒が有利?


では、「大卒など学歴がある方が障害者雇用での採用では有利」ということなのでしょうか。
結論として、
高卒・中卒者との比較
先にご紹介してきたように、大卒者は、新卒採用の場面では有利な立場に立つことがあります。
大企業などでは、新卒採用時に学歴を一つの基準とするケースがあるからです。そのため、大卒の障害者は高卒・中卒の障害者と比べて応募できる求人の幅が広がる面があるとも言えます。
ちなみに、学歴が異なることで応募可能な職種や業界に違いがあります。大卒者は事務職や専門職、将来管理職に繋がるポジションに応募する機会があるのに対し、高卒や中卒など学歴が下がるごとにその時点で求人のある職種は限られてくるため、製造業やサービス業、軽作業といった職種に就く傾向があります。
ただし、後ほど詳しくご紹介しますが



確かに、私が中途採用の障害者雇用求人をみていていると、「学歴不問」の記載はよく見かけるかも。



求人内容としては、学歴よりも、事務職であれば「ExcelとWordの基礎レベル」など応募条件にスキルの記載があるようになるね。



そうそう。
学歴が関係ある求人とない求人
ちなみに、
- 学歴が関係ある求人:専門スキル(例:プログラミングスキル)が必要な職種や、マネジメント業務など責任のあるポジションの求人。
- 学歴が関係ない求人:障害への配慮を重視した求人で、事務補助や軽作業、清掃など。採用の際には、学歴よりも職務経験や社会人経験が重視される傾向がある。



「学歴が関係ある求人」は、収入UPも見込める傾向があるよ。
障害者雇用で学歴フィルターがあるかどうかなどについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので是非参考にしていください。




新卒後 学歴よりも重視されること


新卒後は、求人内容が「学歴よりもスキルなどの応募条件が当てはまるか」に代わることは先にご紹介しました。
しかし、実はそれ以外にも中途採用では重要視される点があります。



障害者雇用で転職を考えたり、一般雇用で就職したけど障害者雇用で働きたい場合は、以下のポイントを押さえておくことが必要だね。
①長く安定して働ける人材か
その為、以下の点が重視されます。
- ブランクがないこと。
- 転職回数が少ないこと。
- 障害について自己理解し、適切に対処できること。
- 基本的な社会性がありコミュニケーションが取れること。
- 体調や症状が安定して働く準備が出来ていること。
②障害名と等級
企業は、障害者の障害特性に応じた合理的配慮を行えるかを重視します。



障害者雇用に取り組んでいる企業だからといって、全ての障害や等級の雇用ができるわけではないよ。
③職務経験とスキル
転職の際には、学歴よりもこれまでの職務経験やスキルが重要視されます。



求人欄には「学歴不問」と書いてあっても、応募条件欄に「○○経験◇年以上」「○○資格必須」などの記載があることもあるよね。
社会に出てからの実務経験や専門スキル、取得した資格がある場合には、学歴に関係なく評価される場面も増えていきます。



もちろん、先に紹介した「学歴が必要な求人」のような場合は、大学などで専門のことを学んだ経験と社会に出てからの経験を合わせて評価されていくよ。
上記でご紹介してきたように新卒とは採用基準が代わってきていますので、転職などで就活がうまくいかない事で悩んでいる方は、以下の記事を参考にして対策をしてみてください。




障害者向け転職サイト・エージェント
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
- 身体・精神・知的障害を幅広くサポート【dodaチャレンジ】
- 首都圏・関西地域中心なら【マイナビパートナーズ紹介】
就労移行支援事業所
- 各地に事業所展開【LITALICOワークス】
- 500種類以上のプログラム【Cocorport】
- 働く未来をあきらめない【ミラトレ】
- 発達障害専門トレーニング【atGPジョブトレ発達障害コース】
- WebデザインやITスキル【atGPジョブトレIT・Web】
- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
就職・転職に活用したい就労支援機関


ここまで、大学新卒や新卒後の採用の現状についてご紹介してきましたが
最後に、障害がある方の就職・転職活動において活用したい就労支援機関についてご紹介しておきます。
障害者向けの就労支援機関は、以下の通りです。
障害者向け就労支援機関
- 障害者就業・生活支援センター
- 地域障害者職業センター
- ハローワークの障害者専門部署
- 就労移行支援事業所
- 障害者向け転職サイト・エージェント



実際の求人を探す場面では、ハローワークだけでなく以下のような場所も利用していこう。
- 障害者向けの求人サイト・エージェント
- 障害者向け合同企業説明会・面接会



大きくは【新卒採用】か【中途採用】かで求人は分かれているよ。
私は、身体・精神・知的障害を幅広く扱う【dodaチャレンジ】や詳細な求人情報が魅力のアットジーピー【atGP】などの転職サイト・エージェントも登録して障害者向けの求人情報を得ているよ。



いいね。
障害者向けの転職サイト・エージェントは障害者向けの詳しい情報掲載があったり担当がサポートしてくれたりがあるからね。
首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】もあるよ。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。



中途採用者には月収や年収見込みの紹介、新卒者には初任給の紹介があるから参考になるから参考になるな。
また、



私は、一般雇用で働いてきたけれど、障害があると分かったことで今は就労移行支援事業所に通所しなたら障害者雇用での就職目指しているよ。



それもいいね。
就労移行支援事業所では、職業スキルを身に着ける・個別の就職支援・就職後の定着支援を受けることが出来るからね。



そうそう。
安定して働くための定着支援を受けたい目的もあって、私は通所して就職を目指すことにしたよ。



就労移行支援事業所にはいろいろな事業所があるので、支援実績などを確認したりカリキュラムを確認して、自分に合う事業所に通所することが大切だね。



だね。
日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】はもちろん、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】、WebデザインやITスキルが身に就く【atGPジョブトレIT・Web】や、AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるから、いろいろ知った上で事業所見学などして選んだよ。
ただし、障害者雇用枠で就職を目指すことは「狭き門」とも言えますので、是非以下の記事も参考にして就職対策をいってください。




まとめ


今回の記事では、障害者雇用は【大卒が有利】?新卒と新卒後の違いをポイント解説!と題して、以下の内容をご紹介しました。
- 大学に在籍する障害者の動向
- 大学新卒 障害者枠で就職するメリット
- 結論、障害者雇用は大卒が有利?
- 新卒後 学歴よりも重視されること
- 就職・転職に活用したい就労支援機関
障害者雇用において大卒など学歴があることは、特に新卒や専門性が必要とされる求人において、就職の選択肢を広げる点で有利な面があります。
しかし、特に新卒後は企業の採用基準が変わってくるため、その採用基準を知って就職や転職活動をすることが大切です。
新卒後に学歴よりも重視されることは、以下のポイントです。
- 長く安定して働ける人材か
- 障害名と等級
- 職務経験とスキル
そのため、以下の方法で就職を目指していくことも大切です。



就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラムや支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。
\ お勧め就労移行支援事業所 /



障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。
障害の種類なども含め基本情報の登録することで、サポートを受けたり求人応募が出来るようになるよ。
\ お勧め転職サイト・エージェント /
*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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