【特例子会社】とは?一般的な障害者雇用との【違い】を詳しく解説!

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「障害者の特例子会社って何?」
「特例子会社はどんな特徴があるの?」
「一般的な障害者雇用とどちらがいい?」

特例子会社とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るために、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社」のことを言い、厚生労働大臣からの認定を受けた会社のことを指します。

障害者雇用で求人検索や企業研究をしている中で、「特例子会社って何?」を疑問のある方もおられるかもしれませんので、今回取り上げていきます。障害者雇用での就職を目指している場合、特例子会社を選ぶか一般的な企業の障害者雇用を選ぶかの判断に役立てていただけたらと思います。

今回の記事では、以下のことをご紹介します。

  • 特例子会社とは
  • 特例子会社と一般企業の障害者雇用の違い
  • 特例子会社で働くメリット・デメリット
  • 自分に合った働き方を選ぶために



結論として、自分自身に合った働き方やその企業と出会うには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職サイト・エージェントからの求人応募

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。


この記事を最後まで読むことで、特例子会社で働くかどうかの判断に役立てて頂けると幸いです。

目次

特例子会社とは

特例子会社の目的と認定要件

特例子会社とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配 慮をした子会社」で、厚生労働大臣から認定を受けた会社を指します。

特例子会社を設立すると、 そこで雇用する全従業員は事業主(親会社)の雇用であるとみなされ、雇用率を算定する際には親会社と同一の事業所として取り扱われます。

特例子会社で働く障害者は、親会社の障害者雇用の算定に入る仕組みなんだね!

そうだね。

特例子会社は、障害のある人が働きやすいよう、合理的配慮に関する知識を備え、労働環境が整っている傾向があるよ。


特例子会社の認定の要件は以下のようになっています。

○ 特例子会社認定の要件
(1) 親会社の要件
○ 親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。
(具体的には、子会社の議決権の過半数を有すること等)
(2) 子会社の要件
① 親会社との人的関係が緊密であること。 (具体的には、親会社からの役員派遣等)
② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。
また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合
が30%以上であること。
③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。
(具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等)
④ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。

引用:「特例子会社」制度の概要


特例子会社の数と働く人の人数

特例子会社は増え続けており、2024年(令和6年)6月1日時点でには614社となっています。

参考:厚生労働書「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」

令和6年6月時点では、約5万人の障害者の方が特例子会社で働いているんだね。

日本全国の特例子会社は厚生労働省「特例子会社一覧」で確認ができるよ。

一覧を確認してみたよ。東京都が195社、大阪府56社だったよ。全体の約1/3は東京に集中しているんだね。

私は地方の政令指定都市に住んでいるけれど19社しかなかったよ。

そうだね。
特例子会社の親会社は大手企業だから、大手企業が多い東京に集中しているよね。

地方になるほど、特例子会社で働くチャンスは少なくなりそうだね。


特例子会社の業務

特例子会社で多い業務は以下のようなものがあります。

  • 事務、事務補助
  • 清掃、消毒、環境美化
  • 運搬(倉庫内の運搬、運搬車運転、引越し作業など)
  • 包装(製品梱包・袋詰め、段ボールの箱詰め作業など)
  • 生産工程(生産設備の制御や監視、機械組立など)
  • 製造工程(印刷、組み立てなど)

特例子会社は、本社やグループ会社から継続的に受注可能な仕事を請け負っていることが多くあり、長期的な経営が可能になります。

安定して仕事を生み出せる環境が整うことで就労条件に安心感が生まれ、障害者の職場定着率の向上にもつながっています。

特例子会社で働く障害者の平均年収

2018年「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」(野村総合研究所)によると、特例子会社の給与水準は以下の通りでした。

  • 年収151万円~200万円(33.8%)
  • 年収201万円~250万円(26.3%)
  • 年収101万円~150万円(19.7%)
  • 年収251万円~300万円(10.6%)
  • 年収301万円~350万円(6.1%)
  • 年収351万円~400万円(2.0%)

出典:野村総合研究所 2018年「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」をもとに作成

101万円~250万円の年収帯が一般的であるようだね。

月収に換算すると、8.4万円~20.8万円程度の方が多いということになるね。

ちなみに、

同年2018年(平成30年)の厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査」によると、各障害者の平均賃金は以下の通りとなっています。

障害別 平均賃金

  • 身体障害者:21.5万円
  • 知的障害者:11.7万円
  • 精神障害者:12.5万円

参考:厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査



障害にもよりますが

特例子会社で働く方の収入は、障害者全体の平均よりも低い水準にある方もおられることが予測できます。

そうだんったんだ…。


特例子会社と一般企業の障害者雇用の違い

特例子会社と一般企業の障害者雇用の違い

特例子会社と一般企業の障害者雇用は、どちらも障害者の雇用機会を増やすことを目的としており、障害に対する配慮を受けながら働ける点は同じです。

一方で、特例子会社は障害者雇用を念頭に設立されているため、一般企業よりもバリアフリーや相談員の配置など体制が充実している傾向があります。

また、一般企業では障害のある人とない人が同じチームで働くことが多いのに対し、特例子会社では同じような障害を持つ人と仕事をする環境です。

特例子会社と一般企業の障害者雇用で働く違いは、以下のような点があるよ。

スクロールできます
特例子会社一般企業の障害者雇用枠
障害への配慮設備面やサポート体制が充実企業ができる範囲で合理的配慮
業務内容障害特性に合わせた業務障害特性に合わせた業務
雇用形態障害者雇用枠障害者雇用枠
職場環境障害者雇用枠の社員が多い一般就労の社員が多い
求人数東京都に集中(地方は少ない)普通(一般就労枠と比較すると少ない)

同じ「障害者雇用」でも、企業の体制が違うから環境などに違いがあるんだね。


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障害者向け転職サイト・エージェント

就労移行支援事業所


特例子会社で働くメリット・デメリット

特例子会社で働くメリット

同じ「特例子会社」といっても、会社によって環境や体制は異なりますが、特例子会社で働くメリットとして主に以下の5つが考えられます。

職場がバリアフリー対応

特例子会社は「障害者を雇うために特例で設立された子会社」ですので、一般企業の障害者雇用よりも、設備や環境・体制・規則などで配慮が手厚い傾向があります。

例えば、障害のある人が働きやすいよう、バリアフリー対応や駅近くのオフィスであることなどがあるよ。


障害に合った労働環境

仕事内容や業務の手順が、それぞれの障害特性に合わせてマニュアル化されているなど、障害者にとって働きやすい環境があります。

また、ジョブコーチや相談員の常駐、定期面談など、相談しやすい環境が整っていることも多くあります。

大企業の子会社なので安定している

特例子会社の親会社は大企業といわれるような企業が多いため、景気に左右されにくく安定して長く働ける職場環境です。

ちなみに、障害者雇用で働いている方の約半数は、従業員1,000人以上いるような大企業ではたらいているよ。

参考:令和6年 障害者雇用状況の集計結果

従業員が多い企業ほど、雇用義務のある障害者の人数も多いからそうなるよね。

そうだね。
だから、特例子会社に限らず「障害者雇用枠」では、「大企業で働くチャンスがある」ともいえるよね!


障害者が多い環境で仕事ができる

一般企業の障害者雇用では、多くの健常者の中に障害者が一人または数人が配置されて働くことが一般的ですが、特例子会社では障害者の多い中で働くことができる環境です。

私は特例子会社の職場見学にいったことがあるんだけど、その企業の場合は、そのフロアにいる全員の方がなんらかの障害をもった方だったよ。


業務環境が変わりづらい

特例子会社では部署異動が少なく、業務内容が大きく変わることも少ない傾向があるため、働く上での変化によるストレスを感じにくいことがあります。

私のように発達障害があって変化が苦手な人には向いている職場環境かもしれないね。


特例子会社で働くデメリット

収入が低めであ

特例子会社は、配慮が手厚い一方で、先にご紹介したデータのように障害者の平均賃金よりも賃金が低い方もおられます。

スキルアップしにくい

親会社などから切り出しをした業務について、障害者など多くの人が作業できるようにマニュアル化して業務としているものが多いため、スキルアップにつながりにくい傾向があります。

地方の求人は少ない

特例子会社は増え続け2024年(令和6年)6月1日時点でには614社となっていますが、そのうち東京都が195社となっており、特に地方での特例子会社は少ないのが現状です。

東京が特に多いよね。
私が住んでいる地方の政令指定都市では19社しかなかったよ…。

特例子会社に限らず、障害者雇用の求人自体も企業数の多い首都圏の方が多いのは同じだね。


転職の際に気づかれる可能性

少し余談になりますが、特例子会社に勤めて一般雇用枠に転職する場合、特例子会社の名前を履歴書に記載すると、障害者雇用で働いていた障害者であることが暗示される可能性があります。


自分に合った働き方を選ぶために

ここまで、一般企業の障害者雇用枠で働く場合と比較しながら、特例子会社の特長などをご紹介してきました。

障害者雇用枠での就職を目指す場合、ご自身がどちらで働きたいかなど考えがまとまってきましたでしょうか。

ただし、大枠でのご紹介はしましたが、企業ごとに採用している障害種類や等級の範囲には違いがありますし、障害者の雇用歴や職場環境、配慮体制も差があります。

【合理的配慮の提供の義務は、事業主に対して「過重な負担」を及ぼすこととなる場合を除く】ことになっているからね。
参考:厚生労働省 合理的配慮指針(概要)

「障害者雇用に取り組んでいる企業であれば、全ての障害・等級を受け入れている」ということではないということだよね。

そうだね。
この部分は求人表では出ていないことが多いだけに、障害者雇用での就職活動の難しさでもあるよね。


上記のような事もありますので、

障害のある方が就職や転職を目指す場合、障害者向けの就労支援サービスを活用し、自分に合った働き方や企業を見つけることが大切です。

障害がある方が利用できる主な支援機関は以下のようなものがあるよ。

障害者向けの就労支援機関は、以下の通りです。

障害者向け就労支援機関

  • 障害者就業・生活支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • ハローワークの障害者専門部署
  • 就労移行支援事業所
  • 障害者向け転職サイト・エージェント

上記の中でも、ハローワークの障害者専門部署障害者向け転職サイト・エージェントは、特例子会社を含めた障害者雇用求人を実際に扱っています。

また、就労移行支援事業所に通所しながら就職活動を行った場合は、職業スキルの習得だけでなく、個別の就職支援を受けたり、就職後の職場定着支援を受けることができ、トータル的な支援を受けることができますます。

少し詳しく紹介しておくね。

①就労移行支援事業所を活用する

就労移行支援事業所では、職業スキルの習得、応募書類の作成や面接対策などの個別就職支援、就職後の定着支援まで就職までのトータル的なサポートを受けることが可能です。

障害者雇用枠で一般企業で就職するように、一般就労を目指したい方は、就労移行支援事業所を利用することで就職の可能性があがるかもしれないよ。

令和4年度の全国平均では、就労移行支援から一般就労への移行は57.2%で一番高くなっているんだね。

引用:一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)

障害者雇用で一般企業に就職するように、一般就労のための就職支援を受けたいのであれば、就労移行支援に通所することが1つのポイントなんだね。

私は特例子会社と一般企業の障害者雇用のどちらが向いているのかも相談してみようかな。

そうだね。
就労移行支援事業所は、ハローワークや障害者職業センターなどと連携しながら障害者の就職も支援してくれるよ。

就労移行支援事業所はいろいろあるので、施設見学をしたり、カリキュラム支援実績を確認して選ぶことが大切だよ。

私はローカルな事業所も含めて5つくらいの事業所を見学して今のところに決めたよ。

日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】はもちろん、WebデザインやITスキルが身に就く【atGPジョブトレIT・Web】、AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】など専門の職業スキルが身に就く事業所もあるから、施設見学したりしていろいろ知った上で選ぶといいね。


ちなみに、就労移行支援事業所ではハローワークなどのように直接の求人は扱っていませんが、

「就労移行支援事業所に通所しているからこそ声がかかる大手企業などの障害者雇用求人がある」ことは是非知っておきましょう。

障害者の方の職場定着率は一般と比べて低く、離職率が高い傾向がるため、対策として、
就労移行支援事業所に通所して就職後の職場定着支援を受けることが出来る人を採用の前提にしている大手企業などもあるよ。

そうそう。

私も就労移行支援事業所に通所してるから、手企業などの職場見学や実習、応募の機会に繋がったことがあったよ。


ハローワークの障害者専門部署に登録する

ハローワークは、一般雇用枠の求人だけでなく、特例子会社も含めた障害者雇用枠の求人も扱っているため、障害のある方は障害者専門の窓口に求職者登録をし、職業相談をしてみましょう。

ちなみに、ハローワークでは、

以下のような制度を活用して、実際の職場の雰囲気や業務内容を知りながら就職活動をすることもできます。

就職支援の制度など
  • 職場見学
  • 職場実習
  • 障害者トライアル雇用制度

これらの制度は、基本的にはハローワークの求人に対して行われているよ。

私は、通所している就労移行支援事業所の仲介で、職場見学や3日間の職場実習も体験したよ。
こういった制度を利用して職場を知って就職すると、利用しない場合よりも離職率が低い傾向があるんだよね。

*ただし、全ての企業が対応しているわけではありませんので、詳しくはハローワークにご確認ください。

ハローワークの詳しい利用方法については、以下の記事で詳しく紹介していますので是非参考にしてください。


③障害者雇用専門の転職エージェントの併用

障害者雇用専門の転職サイトやエージェントにおいても、特例子会社を含めた障害者雇用求人の紹介があります。

ハローワークと比べ、大手企業正社員登用での求人の掲載が多い傾向がありますので、フルタイムで働きたい・大手企業などの正社員で働くことを目指したい方などは、登録し利用するのもよいでしょう。

障害者向け転職エージェントの場合は、担当のサポートがあるので、
自分の障害特性や希望などを踏まえ、特例子会社と一般企業の障害者雇用のどちらがいいかなどを相談してみるといいね。

担当は求人を出している企業に詳しいからね。

私は、障害の種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートしている【dodaチャレンジ】細やかな求人掲載が魅力のアットジーピー【atGP】からまずは登録して利用し始めたよ。
この2つは全国の求人を扱っているからね。

そうだね。

首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】もあるよ。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。


 

障害者の就職と定着をサポート

障害者向け転職サイト・エージェント

就労移行支援事業所

まとめ




今回の記事では、【特例子会社】とは?一般的な障害者雇用との【違い】を詳しく解説!と題して、以下の内容をご紹介しました。

  • 特例子会社とは
  • 特例子会社と一般企業の障害者雇用の違い
  • 特例子会社で働くメリット・デメリット
  • 自分に合った働き方を選ぶために


特例子会社を選択して働く本人にとってのメリットは、以下の5つです。

  • 職場がバリアフリー対応
  • 障害に合った労働環境
  • 大企業の子会社なので安定している
  • 障害者が多い環境で仕事ができる
  • 業務環境が変わりづらい


特例子会社は、障害者が働きやすい環境が整っており、安定した職場である一方、給与やスキルアップの面で課題もあります。


結論として、自分自身に合った働き方やその企業と出会うには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職エージェントからの求人応募


就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラム支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。

\ お勧め就労移行支援事業所 /



障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。

障害の種類なども含め基本情報の登録することで、サポートを受けたり求人応募が出来るようになるよ。

\ お勧め転職サイト・エージェント /

*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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