障害者雇用は【単純作業しかない】？その現状と未来の開き方

「障害者雇用は単純作業ばかりは本当？」
「単純作業にやる気をなくしてて…」
「単純作業の打開策はある？」

こんな疑問をもっていたり、実際に障害者雇用の職場で単純作業ばかりを任せられて自分のスキルを活かせない現状に悩みを抱えている方もおられるかもしれません。

今回の記事では、以下のことをご紹介します。

結論として、

障害者雇用を行う企業や職種の全てが単純作業ではありませんので、できれば就職活動の段階で

以下の方法で自分に適した職場や業務と出会うことが大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職サイト・エージェントからの求人応募

この記事を最後まで読むことが、自分に適した就労先に出会うヒントになれば幸いです。

障害者雇用における単純作業の現状

障害者雇用では、業務が単純作業に限定されている職場もあります。その背景と理由を紹介していきます。

単純作業を任せられる理由

会社側の体制や理解不足

企業側が「障害者を雇用しない理由」で一番多い理由は、「当該障害者に適した業務がないから」となっています。

引用：　厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査結果」

また、同調査において、障害者を「雇用するに当たっての課題」についての回答については、

• 「障害者を雇用するイメージやノウハウがない」
• 「会社内に適当な仕事があるか」

という回答が、各障害において50％または70％程度出ています。

雇用する側が、社内で障害者に適した業務を見つけることは大変なんだね。

上記のように、企業の多くは、どの障害種別においても「会社内に適当な仕事があるか」に課題を抱えています。そのため、障害者は自分の能力を活かせる仕事を与えられないことがあります。

また、企業は個々の障害者の特性を十分に理解していない場合もあります。障害者の得意な業務を見極めることができず、結果的に単純作業に偏ってしまうことがあります。

忙しい周囲の配慮不足・コミュニケーション不足

一緒に働く周りの人が忙しく、障害者をフォローできていないことや、上司などの業務管理者と定期的な面談の機会がもてていないために、障害者にとって適切な業務や量の見直しが行われない場合があります。

会社側の過剰な配慮

障害者雇用の場合、一人ひとりの体力や集中力などを考慮し、負担が多くならないよう業務が割り当てられる傾向があります。しかし、その配慮が過ぎてしまうと、働く障害者本人にとって「任せられる仕事が少ない」「単純作業しかない」状態となることがあります。

配慮した結果もあるんだね。

単純作業しかできないとの思い込み

企業側の認識として、障害者が行える業務は限られているという先入観が影響していることもあります。企業は「障害者には簡単な作業が適している」と考え、単純作業を割り当てることがあります。

障害者雇用の経験が浅い企業ではありそう…。

数合わせや法的義務意識での雇用

企業は、障害者雇用率を達成することを優先したり、数合わせのために採用することがあります。

このような場合、企業側で十分な準備や体制が整えられず、比較的簡単な業務を割り当ててしまうことがあります。

常時雇用の労働者数が100人を超える企業が障害者法定雇用率を未達成の場合、不足する障害者数に応じて1人当たり月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならない背景もあるからね。

また企業は、障害者を雇用することで社会的責任を果たす一方で、業務の切り出しや環境整備に対する負担を軽減したいと考えるため、障害者に単純作業を任せる傾向もあります。

単純作業しか与えられないときの対処法

既に働いている職場で、単純作業しか与えられない現状がある場合は、以下の対処法を参考にしてください。

①自身の能力と希望の明確化

まずは、改めて障害の自己理解を深め、自分の障害特性や得意・不得意なことを確認し、それを職場で伝える準備をしていきましょう。

②会社側への相談やコミュニケーション

障害の自己理解を深めたら、会社側へ現状が単純作業について悩んでいることを定期面談などの機会を利用して相談します。

自分自身が得意なことや障害があってもできることを伝え、任せられる仕事の範囲を広げることができることを理解してもらい、業務の幅を広げる努力をしていきましょう。

また、日ごろから上司や職場の同僚とコミュニケーションを取ることも大切です。現状の業務内容の調整や新しい業務への挑戦を交渉したり、何か手伝えることがないかを声かけしながら業務の幅を広げてみましょう。

③スキルアップをして担当業務を増やす

もし自分自身の業務スキルが不足しているために任せてもらえる業務が少なく単純作業になっている場合は、スキルアップをして任せてもらえる業務を増やしていきましょう。

④支援機関の活用

社内の定期面談の機会がない、企業側に伝えたが現状が改善されない場合などは、専門の支援機関に相談し企業との間に入って調整してもらうこともできます。

対策しても変化がないときは●●

これまでご紹介してきたような対策をしても、改善できない場合は次にご紹介していくことを参考にしてください。

①期待せずに働く

業務が単純作業である不満はあっても、今の職場の環境や待遇などに満足しているのであれば、このまま働き続けるのも一つの方法です。

②在職中に転職活動を始める

仕事にやりがいを持てず精神的に疲弊している場合や、自分の経験や資格が生かせず不満が募る場合は、転職を視野に入れることも検討してみましょう。

なぜなら、

障害者雇用に取り組む企業の経験や配慮体制などは、企業によって差があるからです。

障害者雇用の取り組みを始めたばかりの企業はより配慮体制や職場環境が整っていない場合もあるかもしれませんし、障害者雇用の取り組みが長い企業などは障害者雇用の体制が比較的整っているかもしれません。

「合う企業があれば転職しよう」と思う場合は、在職中に障害者向けの転職エージェントに登録して企業情報を集めながら、次の職場を見つける活動を進めてみましょう。

③離職して転職活動を始める　

仕事にやりがいを持てず精神的に疲弊して体調を崩している場合や、職業スキルを補いながら自分に合う職場への転職を目指したい場合は、一度離職してから転職活動を始める方法もあります。

ハローワークに登録したら、

また、

実際の求人検索や応募企業を選択するにあたっては、ハローワークの通常求人だけでなく、以下も利用することもお勧めします。

障害者雇用の全てが「単純作業」ではない

ここまで、障害者雇用で単純作業が任せられてしまう背景や理由、対策をご紹介してきましたが、障害者雇用に取り組む企業や職種の全てが「単純作業」ということではありません。

一般雇用に比べて職種の幅が狭い傾向のある障害者雇用ですが、同じ職種であっても企業が求める業務レベルも様々です。

例えば、同じ「事務職」の求人であっても、基本のPC操作ができればよい企業もあれば、ExcelやWordなどの資料作りは出来ることは前提として求人を出している企業もあります。

自分自身にとって「単純作業」ではない業務のある企業と出会うには、自分のスキルを認識することはもちろん、求人の内容についても詳しく知ってから応募していくことが大切です。

最後に、

単純作業ではなく、やりがいのある仕事と出会うことを希望する場合は、正社員雇用を目指したり、ノーマライゼーションの文化の確立した大手企業などでの就職を目指すこともよいかもしれませんので、以下の記事も是非参考にしてみてください。

ただし、障害者雇用で採用されることは狭き門でもある面がありますので、是非以下の記事も参考にして対策をしていってください。

まとめ

今回の記事では、障害者雇用は【単純作業しかない】？その現状と未来の開き方と題して、以下の内容をご紹介しました。

結論として、

障害者雇用を行う企業や職種の全てが単純作業ではありません。

そのため、就職活動の段階で以下のような方法をとりいれながら、出来れば就職活動の段階で自分に適した職場や業務と出会うことが大切です。

就労移行支援事業所などの支援機関の利用や、障害者向け転職サイト・エージェントからの求人応募