「障害者雇用の給料は安いって本当?」
「なぜ安くなってしまうの?」
「給料UPの為の対策はある?」
障害者雇用の給料が安い傾向があることを知り、こんな疑問を抱えている方もおられるのではないでしょうか。
「障害者雇用促進法」では、雇用における「障害を理由とする差別的取り扱い」を禁止していますので、 募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などにおいて、障害があることを理由に排除することや、不利な条件を設けることは禁止されています。
それなのになぜ、障害者又は障害者雇用の給料は安い傾向があるのでしょうか。
今回の記事では、以下のことをご紹介します。
- 障害者雇用で働くとは
- 障害者の給料の現状
- 障害者雇用の給料が安くなる理由
- 障害者雇用での給料を上げる3つの対策
結論として、障害者雇用で給料アップを目指すには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。

記事の最後に、お勧めの就労移行支援や転職サイト・エージェントも紹介するよ。
この記事を最後まで読むことが、あなたの給料アップにお役に立てば幸いです。
障害者雇用で働くとは


障害者の働く選択肢
障害があるからといって、必ず障害者雇用で働かないといけないわけではありません。
障害の程度、障害者手帳を取得しているかどうか、働く上での配慮が必要か、障害を開示して働いてもよいかなどによって、障害者自身が働き方を選択していくことができます。





今回の記事では、障害者雇用枠で働く場合を前提に紹介していくよ。
障害者の法定雇用率
障害者雇用率制度により、障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられており、障害のある方が障害者雇用枠で働くチャンスは少しずつ広がっています。
令和5年度 | 令和6年4月 | 令和8年7月 | |
---|---|---|---|
民間企業の法定雇用率 | 2.3% | 2.5% | 2.7% |
対象事業主の範囲 | 43.5人以上 | 40.0人以上 | 37.5人以上 |



令和8年に次の引き上げが予定されているんだね。



そうだね。
法定雇用率の達成企業は約半分という課題はあるけれど、法定雇用率が段階的に引き上げられていることで、障害者雇用枠で働く障害者は増えているよ。
障害者雇用枠で働くことが出来る人
障害者雇用枠に応募して働くことが出来る人は、原則として障害者手帳を取得している方です。





私は発達障害なので、精神障害者保険福祉手帳を取得しているよ。
障害者雇用で働くメリット・デメリット
障害者雇用で働くメリットは、以下のようなものがあります。
- 障害への合理的配慮・周りの理解を得る環境
- 一般枠より就職しやすい場合がある
- 大企業で働くチャンスがある
- 就職前後の支援を受けることが可能
- 離職率が下がり長く安定して働ける
- 障害者控除が受けられる



障害者雇用枠で働く一番のメリットは、働く上での配慮が受けられることだよね。
障害者雇用では、以下のようなデメリットもあります。
- 一般雇用に比べて求人数が少ない・職種の幅が狭い
- 企業は、障害別で雇用実績の差がある
- 求人の多くが非正規募集である
- 企業が障害に対する理解不足の場合もある
- 業務制限がありキャリアアップしにくい場合がある
- 雇用形態や業務によって給与水準が低い場合がある
障害者雇用枠で働く本人のメリットやデメリットは、以下の記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。


障害者の給料の現状


障害別 平均賃金
障害別の令和5年5月の平均賃金は、以下の通りです。
*障害者雇用に限定した賃金ではありません。



賃金とは、給料・手当・賞与など労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものを指しているよ。


参考:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査の結果」



同調査からわかる、週所定労働時間別平均賃金(決まって支給する給与)の月額は、以下の通りだよ。
身体障害者 | 知的障害者 | 精神障害者 | 発達障害者 | |
---|---|---|---|---|
平均賃金 (超過勤務手当を除く所定内給与額) | 23万5千円 (22万3千円) | 13万7千円 (13万3千円) | 14万9千円 (14万6千円) | 13万円 (12万8千円) |
通常(30時間以上) | 26万8千円 | 15万7千円 | 19万3千円 | 15万5千円 |
20時間以上30時間未満 | 16万2千円 | 11万1千円 | 12万1千円 | 10万7千円 |
10時間以上20時間未満 | 10万7千円 | 7万9千円 | 7万1千円 | 6万6千円 |
10時間未満 | 6万7千円 | 4万3千円 | 1万6千円 | 2万1千円 |



障害者雇用枠の求人は「通常(30時間以上)」の割合が高いので、平均賃金はそれに近い金額になっているね。



ちなみに、
同調査において「障害別の賃金の支払い形態」は以下のようになっているよ。
- 身体障害者
-
- 月給制 65.7%
- 日給制 4.1%
- 時給制 27.3%
*上記以外の2.9%は、その他または無回答
- 知的障害者
-
- 月給制 24.8%
- 日給制 1.9%
- 時給制 72.5%
*上記以外の0.8%は、その他または無回答
- 精神障害者
-
- 月給制 43.4%
- 日給制 1.8%
- 時給制 53.6%
*上記以外の1.2%は、その他または無回答
- 発達障害者
-
- 月給制 52.3%
- 日給制 1.1%
- 時給制 44.2%
*上記以外の2.4%は、その他または無回答



身体障害者は、正社員雇用割合が高いので月給制の割合も高いね。
一般労働者と障害者の平均年収



正社員か正社員以外かでは、倍以上の年収の差があるんだね。
ここで、以下の疑問が浮かびます。
障害者の年収っていくら位なの?
これに答えると
先にご紹介した令和5年度5月の障害別の平均賃金に12ヶ月をかけて平均年収を計算すると、以下の金額になります。
- 身体障害者:23.5万×12ヶ月=282万
- 知的障害者:13.7万×12ヶ月=164.4万
- 精神障害者:14.9万×12ヶ月=178.8万
- 発達障害者:13万×12ヶ月=156万
*ただし、この調査金額は「障害者雇用枠」での雇用のみではなく、障害者が一般雇用枠などで働いた場合も含む可能性があります。



身体障害者以外は、日本の非正規雇用の平均年収以下だね。



そうだね。正社員雇用などで賞与があるかなども関係するけれど
結論、障害者の年収は、日本全体の平均年収より低いと言えそうだね。


障害者向け転職サイト・エージェント
- 細やかな情報掲載と全国求人の【atGP】
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就労移行支援事業所
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- AIやデータサイエンス【Neuro Dive】
*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
障害者雇用の給料が安くなる理由


「障害者雇用促進法」では、雇用における「障害を理由とする差別的取り扱い」を禁止しています。 この差別の中には、募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などにおいて、障害者であることを理由に排除することや、不利な条件を設けることが含まれています。



じゃあ、同じ企業において同じ職種や仕事内容をしているのであればお給料は同じということだよね。
なぜ、障害者雇用の給料は安い傾向があるの?
障害者雇用の給料が安くなってしまう原因には、以下のようなものがあります。
- 時短勤務をしている
- 非正規で雇用されている
- キャリアアップしづらい職種
- 勤続年数の差
- 最低賃金減額特例の適応



詳しく説明していくよ。
時短勤務をしている
障害者の種類や個々の特性によっては、フルタイム勤務が難しいために時短勤務などの配慮を受けていることがあります。
障害別の週の労働時間は、以下の通りです。
- 身体障害者 75.1%
- 知的障害者 64.2%
- 精神障害者 56.2%
- 発達障害者 60.7%
- 身体障害者 15.6%
- 知的障害者 29.6%
- 精神障害者 29.3%
- 発達障害者 30.0%
- 身体障害者 7.2%
- 知的障害者 3.2%
- 精神障害者 8.4%
- 発達障害者 4.8%
参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」



「週30時間以上」が、どの障害においても一番多いんだね。



そうだね。
ただし、正社員やフルタイム勤務なら週40時間が基本なので、この中にも時短勤務している方が含まれている可能性があるね。
非正規で雇用されている
厚生労働省の令和5年度の調査によると、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は 110万7,000人で、障害別の正社員雇用の割合は以下のようになっています。


参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」



身体障害者の方は約6割だけど、その他の障害では約2-3割程度なんだね。



そうだね。
日本では労働者の約6割が正規雇用だよ。
障害によって雇用が義務化された年も違うので勤続年数の差も影響している可能性もあるけれど、障害者の非正規雇用で働く割合は高いと言えるね。
キャリアアップしづらい職種
障害者雇用で求人のあるの多くの職種は、専門職や事務補助、軽作業などが中心であり、特に事務補助や軽作業の職種ではキャリアアップがしづらいのが現状です。



営業職などのように成績が給料に反映されたりが難しいよね。
勤続年数の差
障害別の平均勤続年数は、以下の通りです。
- 身体障害者は12年2月(前回調査 平成30年は10年2月)
- 知的障害者は9年1月(同 7年5月)
- 精神障害者は5年3月(同 3年2月)
- 発達障害者は5年1月(同 3年4月)
(注) 平均勤続年数は、勤続年数の短い新規の雇用者の構成割合が増えると、短くなる。



(注)であるように、精神障害や発達障害は、義務化からの年数が浅いので、新規雇用の構成割合が高いために、他の障害と比べて勤続年数が短い結果が出ている可能性もあるね。
障害によって雇用が義務化された年に差があるため、平均勤続年数の差もありますが、長く雇用されているほど基本給や時給が上がってきていたり、正社員に雇用される可能性も上がってきます。
最低賃金減額特例の適応
日本の最低賃金制度には「最低賃金の減額の特例許可申請」と呼ばれるものがあります。
一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、雇用主が都道府県労働局長の許可を受けることで、個別に最低賃金の減額の特例が認められる制度。
参考:賃金(賃金引上げ、労働生産性向上) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)



減額申請対象は以下のような方だよ
- 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
- 試験的な使用期間中の者
- 基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者
- 軽易な業務に従事する者
- 断続的労働に従事する者
最低賃金の減額の特例許可制度を雇用側が申請した場合は、賃金が低くなっている方もおられます。
お金の面で障害者雇用で働くことに不安を感じる方は、是非以下の記事を参考に対策を紹介していますので参考にしてください。




障害者雇用での給料を上げる3つの対策


- 正社員雇用を目指す
- 資格取得をして手当を付ける
- 給料が高い企業・職種へ転職をする



詳しく紹介してくよ。
①正社員雇用を目指す
勤務時間を増やしたり、非正規雇用から正社員雇用に雇用形態が変わると、給料UPや福利厚生が手厚くなることで給料アップに繋がります。



時短勤務をしている方はまずはフルタイムを目指すことからかもしれないね。


②資格取得をして手当を付ける
業務に関係した資格を取得した場合、資格取得手当や補助が出る企業もあります。
補助が出ることで、自費を押さえることが出来ますし、身に着けたスキルがあることで資格取得手当が給料に反映されたり、業務貢献をして昇給を目指すことも出来ます。
③給料が高い企業・職種へ転職をする
- 大企業の障害者枠への転職
-
現状の企業では収入UPが見込めない場合は、条件の会う企業に転職をするのも手だね。
私は、詳細な求人情報が魅力のアットジーピー【atGP】や身体・精神・知的障害を幅広く扱う【dodaチャレンジ】に登録して利用しているよ。
障害者専門の転職サイトやエージェントは大手企業の掲載や正社員求人の割合も高い傾向があるよね。そうだね。この2つは首都圏だけじゃなく全国の求人を扱っているのでまずは利用したいね。
ちなみに、首都圏・関西地域中心の求人紹介なら【マイナビパートナーズ紹介】もあるよ。
*障害者向け転職エージェントは障害者手帳を取得している方が利用可能です。障害者雇用専門の転職サイトやエージェントでは、募集職種・給料や年収の目安・福利厚生なども詳細に掲載されています。
- 高収入を狙える職種に転職
-
障害者雇用でも、専門知識や資格を活かした職種の募集はあり、高収入を目指すことができます。
転職期間を使ってスキルを身に着けたい場合は、
AIやデータサイエンスが学べる【Neuro Dive】やWebデザインやITスキルが身につく【atGPジョブトレIT・Web】などの就労移行支援で職業スキルを身に着けて専門分野へ就職を目指すことも出来るよ。就労移行支援事業所に通所する期間は、必要なスキルの学び直しや習得に使えるね。
他にも、日本各地に事業所がある【LITALICOワークス】、一人ひとりが「はたらく未来」を実現するための【ミラトレ】もあるから、いろんな事業所を知った上で選ぶといいね。
大企業への就職や年収の高い職種に興味がある方は以下の記事も参考にしてください。






障害者向け転職サイト・エージェント
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*日本全国に事業所がないものもありますので、ご自身の地域にあるかはご確認ください。
まとめ


今回の記事では、障害者雇用【給料が安い】のはなぜ?その理由と3つの給料アップ対策と題して、以下の内容をご紹介しました。
- 障害者雇用で働くとは
- 障害者の給料の現状
- 障害者雇用の給料が安くなる理由
- 障害者雇用での給料を上げる3つの対策
障害者枠で正社員になる方法は、以下の2つです。
- 正社員雇用を目指す
- 資格取得をして手当を付ける
- 給料が高い職種・企業へ転職をする
そして、障害者雇用で給料アップを目指すには、以下の方法で就職までの支援を受けることが大切です。



就労移行支援事業所は、就職相談はもちろん、施設見学をしたりカリキュラムや支援実績を確認したりして決めることが大事だよ。
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障害専門の転職サイト・転職エージェントも、無料で登録し利用できるよ。
障害の種類なども含め基本情報の登録することで、サポートを受けたり求人応募が出来るようになるよ。
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*今後、おすすめの就労移行支援事業所や障害者専門の就職サイト・エージェントを詳しく紹介していきますので、しばらくお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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